「月に吠えらんねえ」 5 清家雪子

ホモじゃねえかああぁぁぁ!!!

ぜえ、はあ。すみません、取り乱しました。

 

いやまさか、私の腐った脳が見せる幻想かもしれないと何度も頭を打ちふるったけど、夢じゃなかった。いったいどこからが現で幻か、肥大化した朔くんの妄想に呑みこまれて判然としないけれど、巻末最後の4コマ漫画だけは夢じゃない。

ここに描かれている感情は、ほかならぬ恋心だろう。

早く終わってほしいのに、ずっと続いていてほしい。はじめて知るややこしい感情。これを恋と呼ばずして、何と呼ぶ。

 

蛍祭りの夜、白さんは朔くんに「僕らは今 どういう関係なんだろう」と問うた。

己の性もかたちも見失いかけている朔くんは、混乱のあまりその問いに答えることすらままならず、お得意の妄想を爆発させるのだが、この夜の彼らにはたしかにこれまでにない親愛で結ばれていた。

しかし、この夜、朔さくんの隣にいたのは、果たしてほんものの白さんだったのかどうか。


ただ、そうして知った愛すら、朔くんを浮世にとどめる重石になりそうもない事実に、ひたひたと何かが迫ってくるのを感じる。

一点の染みもゆるさない。その潔癖なまでの詩への信奉こそが、彼を追い詰めてゆく。

 

生きていくことは、矛盾を抱え込んでいくこと。汚れてゆくこと。そういう自分を許すこと。

それを許せないなら、もはや生きてはいけない。それでも、詩は彼に肉体の奴隷となることを許さない。

うつくしく狂いゆく、そのおぞましさに惹きこまれる。

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    「聖の青春」 大崎善生

    大崎善生「聖の青春」を読了。

    十代から二十代にかけての人生でいちばん楽しい時間。その限られた若き日を、がむしゃらに将棋に捧げ尽くした棋士の魂の記録。

    「3月のライオン」がアニメ化するこの機会に、ぜひ読んでおきたいノンフィクションである。

    病弱でありながら、作中誰よりもエネルギッシュに将棋を希求する桐山零の(自称)ライバル・二階堂。読めば誰もが愛さずにはいられないこの少年のモデルとなっているのが、本書の主人公である村山聖だろう。

     

    たまには萌えと関係ない読書をしようと気分転換がてらに手を伸ばしたのだが、やはりノンフィクションはおもしろい。

    他人の人生ほど、奇妙で奥深いものはない。それが自分では到底経験できないような世界で生きた人間のものなら、なおさらだ。どんな天才であれ、大金持ちであれ、人はたったひとつの人生しか経験できない。けれど、本を読んでいる間だけ、私たちはけして知りえることのない「べつの人生」を追体験することができる。

    運命のような出会いと別れ。たったひとつの勝敗でその姿を変えていく、表裏一体の希望と絶望。

    村山聖の人生は、少年漫画の主人公みたいにまばゆく輝いていた。

     

    村山聖は、羽生善治や森内俊之らいまも棋界のトップに君臨する棋士らと同世代の、夭折の天才棋士である。

    5歳でネフローゼという腎臓の難病を患い、孤独な入院生活のなか、ほぼ独学で将棋を覚えた。当時の名人・谷川浩司を倒すことを夢見てプロ棋士を志した村山は、森信雄のもとに弟子入りし、14歳で奨励会入りする。

    興奮したり、少し無理をするだけで、すぐ熱を出し、何日もじっと床に臥せっているしかない村山のことを、森はかいがいしく面倒を見たという。

    「生きているものを切るのはかわいそうだ」という村山を、森は髪をつかんで床屋へ引きずって行き、村山が入院すれば、村山の読みたい少女漫画(なんと、村山棋士は萩尾望都先生のファンだったというのだ!)を書店をはしごして求めた。

    どちらが弟子でどちらが師匠かわからないようなふたりの関係は、師弟というよりほんとうの兄弟か動物の親子のようで、心温められるものがあった。

     

    村山は羽生善治というたったひとりで将棋界を塗り替えてしまうほどの天才とも、互角に渡り合った。

    何度となく「名人」という夢の扉の前に立ちながら、抗えぬ運命にゆく手を阻まれた。勝つほどに対局数は増えていく。極度の緊迫感と疲労に、村山の肉体はボロボロになっていった。

    それでも、将棋しか知らない青年は、生まれた川をめざして一心に泳ぐ魚のように、きらめく鱗をこぼしながら「名人」という到達点だけを追い求める。つねに死と隣り合わせにありながら、村山は命が尽きる瞬間まで、片時も「名人」という夢を手放さなかった。

    ときに滑稽なほどがむしゃらで、ときに胸がいたむほど純粋。

    森先生含め、棋士には奇人・変人、そしてとんでもない天才がわんさかいたが、たぶん将棋にはそういう「純粋すぎて生きづらい人」たちを受け入れるだけの器があるのだろう。

     

    燃えつきる星ような村山聖の生き方を追っていると、つい、将棋を知らなければもっと長生きできたのでは、という思いが心をよぎる。将棋という運命に、彼が自分の命を捧げてしまったようなような気がしてしまう。

    しかし、きっとそうじゃないのだ。

    「名人」という夢があったからこそ、彼は力の限り生きることができた。

    将棋を知って、不自由な身体でも羽ばたけることを知った。

     

    著者の大崎は、こう書いている。

     

    将棋は村山にすべてを与えてくれた。

    村山の心にはいつも将棋盤があり、その上には果てしない青空が広がっていた。

     

    将棋は、誰からも何ものも奪わない。ただ、与えるだけだ。

    奨励会を去った青年たちのその後を綴ったノンフィクション「将棋の子」のなかでも、大崎はそう記している。

     

    憧れ、追い求め、挫折し、絶望に打ちひしがれるうちに、いちばん最初に胸に抱いたはずの純粋な思いはすり減ってゆく。

    勝つも地獄、負けるも地獄。そうメモに残した村山にとって、将棋が果たして、楽しいものであったかどうかは、私などにはわからない。それでも、彼にとって将棋こそが、唯一自分の生を確認する手段だったのであり、彼自身を表現する術だったのではないか。

    朦朧とする意識の中でも、棋譜をそらんじていたという村山の壮絶な最期。

    「最後まであきらめない」なんて綺麗な言葉では到底言い表せない苛烈な生きざまに、深く心揺さぶられた。

     

    「聖の青春」「将棋の子」と読んで、あらためて羽生善治という天才棋士の偉大さを知った気がした。

    19歳にして名人、史上初の7冠、といった数字上の事実だけではない。デビューからいまに至るまでずっと、彼が「最強」でありつづけていることが、どれだけ同世代の、そして後に続く棋士たちを励ましてきたことか。

    奨励会を去り、まるで奈落の底で生きているような男が、羽生と戦って敗れた記憶を自分の「誇り」だと語る。

    同世代の若手に烈しい闘志を燃やした村山にとっても羽生だけは特別で、故郷の広島で療養中、どうしても羽生に会いたいからと病身をおして名人戦の解説会に出かけたという。

     

    真の才能は、ひとを絶望させたりしない。

    みんなに希望を与えるものなんだということを、しみじみとかみしめた。

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      「アオイホノオ」 15 島本和彦

      新人賞を受賞し、ついに漫画家としての一歩を踏み出したホノオ。

      しかし、他人の評価ばかりが気になって、ちっとも本業の漫画に身が入らない。

       

      賞を受賞したからって、いきなり一人前の漫画家に生まれ変われるわけじゃないもんね〜!相変わらずのホノオに、ちょっとほっとしたような、いつまでも浮かれてんじゃないよ!とどやしつけたいような。笑


      それでも、いまは大先生に振り回されっぱなしの新人担当者・三上さんが、ホノオのよき理解者になってくれるかな?

      これまではホノオのデタラメな情熱&自意識に、ついてこれる人がいなかったもんなぁ。それでもお構いなしに熱量をまき散らしてきたホノオだけど、真っ向から受け止めてくれる人ができれば、一歩先に進めるのでは。

      俺はこんなもんじゃない、もっとデカいことができるはず。

      そう思いながら、妄想みたくうまくやれるはずもなく、自意識の檻のなかで転げまわっている。この自意識こそがモラトリアムであり、「アオイホノオ」そのものなのだろう。もし、ホノオが等身大の自分と向き合って、真のプロとしての一歩を踏み出す日がくるとしたら、それは「アオイホノオ」の終着点かもしれない。

       

      しかし、15巻のハイライトはなんといっても、当時のサンデーをそのままコピーしたらしき昭和56年度上期新人賞発表ページ!

      当時の新人賞審査員は、赤塚不二夫、楳図かずお、藤子不二雄、松本零士という錚々たるレジェンドたち。島本さん、このレジェンドたちに認められて漫画家になったのか。この先生方に自分の漫画を読んでもらったってだけでも、とんでもないことだよねぇ…。
      しかも、青年部門の受賞者にはなんと、浦沢直樹の名まえが。島本先生と浦沢先生って、部門は違えど、動機デビューだったのか。

       

      読めば読むほど興味深い。つくづく、おもしろくてためになる漫画である。
       

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        「春の呪い」 1 小西明日翔

        pixivsで人気の著者による初コミックス。
        誰よりも愛していた妹・春を病いで失った姉の夏美。夏美は死んだ妹の代わりとして、春の婚約者だった冬吾と交際することとなる。春への罪悪感にかられる夏美は、冬吾に春とふたりで訪れた場所に連れて行ってほしいと頼む。


        長らくネットで描いていた人らしく作画は荒削りに感じるが、どシリアスなストーリーにテンポよく笑いを絡めた語り口が魅力。見た目はスタイル抜群の美女なのに、口を開けばがさつでパワフルな主人公・夏美のキャラクターがこの漫画のキモだな。無口でクールな美男子・冬吾との対比は、漫才コンビのように小気味よい。


        互いに惹かれあっているはずの夏美と冬吾だが、ふたりが向き合うためには「春」という圧倒的な欠落とも向き合うことになる。

        冬吾は春と付き合いながら夏美に惹かれていた罪悪感から、夏美は春の心を奪った冬吾を呪った後悔から、まっすぐ相手だけを見つめることを己に許すことができない。いつだって、互いの背後には春の存在があるのだ。


        条件付きの交際が終わりを迎え、冬吾の自分への想いを知った夏美は、彼を傷つけてきたことを深く悔いる。そして、偶然にもネットで春のものと思われる闘病日記を見つける。

        1巻はここで「つづく」に。うわーん、いいところで終わるなぁ!

        何より夏美を縛っている春の最期の言葉の意味が、これで明らかになるのだろうか。そして春は、姉と婚約者のことをどう想っていたのか。不穏なタイトルもあいまって、物語の結末が楽しみだ。

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          「MAMA」 5-6 売野機子

          5巻の表紙、天国的にうつくしいな…。

          母の愛を求め、金のために歌い続けてきたガブリエル。誰にも助けを求めることができず、夜の街をさまよっていたガブリエルを迎えにきたのは、彼の歌声にコンプレックスを抱えていたラザロだった。
          このお迎えの場面は、つらい展開の多いこの物語のなかで数少ない、完璧な救いのような気がするな…。ラザロがガブリエルに手を差し出したのを見て、心底ほっとした…。

          ガブリエルがほしがったものは、最後まで手に入らなかったかもしれない。
          それでも、幼い彼らを翻弄するどんな絶望もよろこびも、べつの誰かにとっては遠いパレードのようなものでしかないのだ。諦観にも似た世界の残酷なうつくしさを知って、ガブリエルはほかでもない自分自身の人生を歩みだす。

          すべてを失い、たったひとつ手に入れた才能にすら傷つけられつづけた少年は、鳥かごを去り、はじめて自由に歌いだした。たったひとりで歌うようになってはじめて、ガブリエルは歌うよろこびに涙した。
          ずっと自分を母の一部のように感じていたガブリエルは、母親と離れてようやく、彼自身の価値に気づくことができたんじゃないか。それは悲しいことにも思えるけれど、誰もがいつか、親もまたひとりの人間であることを知って、大人になっていく。
          永遠の代わりに、ガブリエルは未来を手に入れたんだろう。
           
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            「MAMA」1‐4 売野機子

            24年組の再来との呼び声高い売野機子による、少年たちの寄宿舎物語。

            長髪の美少年、短パン、才能と相克、そして禁断の恋。いにしえの少女漫画ファンには、この設定だけで垂涎もの。
            ギムナジウム様がおでましになったぞ〜〜〜!であえであえー!!

            舞台は変声期前の少年たちが集う音楽学校の寄宿舎。神に選ばれた者のみがここで歌うことをゆるされるが、真の「天使の歌声」に達したものは、その声の美しさが頂点に達した瞬間、命を失うという。
            下手したら「中二病」と切って捨てられそうな危うい設定に、どこか懐かしくはかなげな描線と、文学的なモノローグが緊張感を与えている。
            ここにあるのは、切実な愛への希求。タイトルに冠せられているとおり、少年たちはそれぞれに家族への複雑な想いを抱えている。
            近づけば疎ましく、遠ざかれば恋しい。満たされない心を埋めるように、少年たちは歌に没頭していく。

            無欲さゆえに才能に愛されるガブリエル、ガブリエルと出会い嫉妬を知るラザロ、友の死の呪縛から逃れられないアベル、いけないと知りながら恋に溺れるシオン。
            隔離された空間のなかで、惑い、嘆き、打ちひしがれ、それでも「愛されたい」ともがく少年たち。その姿は、痛々しくも耽美な魅力をはなつ。
            なかでも2巻は、痛みと慈愛に満ちた少年愛の物語。最年長で唯ひとり長ズボンのアベル(黒髪クール)と、彼の「生贄」になったミカ。はけぐちのように、代償のように、ただ傷めつけることだけでつながりながら、ひとりよがりな優しさを許しあった。
            兄弟のように、自分自身のように、ミカはアベルのことを許した。少年愛が描くものは、恋というよりも、一種の自己愛、承認欲求のようなものなのかもしれないな。
            ありがたいものを読ませてもらいました。
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              「ダイヤのA act.供 2 寺嶋裕二

              ※※※これ以降、脳内だだもれの樹鳴語りです。腐警報。※※※

              act.2巻、苦労してゲットした甲斐があったよ〜〜〜〜〜!!!!
              負けてさらなる凄みを増した鳴さん…ほんとうにキングだよ…ラスボスだよ!うつくしいよっ!!
              見下ろすまなざしが最高に不遜で不敵!!もう生意気で血気盛んなエース様じゃないのね。ひとつの負けがこんなにひとを成長させるんだなって感慨深い。こりゃあ、おそろしい魔物をめざめさせてしまったなぁ。

              そして、うわさどおりの樹鳴だった…!!!
              なんでこのふたり、出てくるたびにこんなにプレシャスな萌え体験を与えてくれるんだろう!!!??
              まじで公式が最大手すぎるんですが!けしからん!!

              樹はきっと御幸にはなれないと思う反面、彼なりの成長がたしかに感じられて、終始ほほえみがとまらなかった。

              樹の最大の魅力は「伸び代」である気すらしてくる。
              このふたりを見ているあいだ、私はずっとにやけている自覚がある…気持ち悪いことこのうえないと思うのだが、どうにもとまらない。
              樹ほんとうに…ほんとうに鳴さんのこと大好きなんだな〜〜〜!!!!
              まえは鳴さんが不機嫌なだけで、どうすりゃいいのって感じだったけど、いまはちゃんと鳴さんのこと見えてるし、自分がやるべきこともわかっている。その結果があのマウンドでの一発ギャグってのは、「なんでそうなった!?」としかいいようがないけど、この一途さが樹だよなぁ。
              そのうえ、「その笑顔が見たかったんです!」なんて殺し文句まで。なにこの声に出して読みたい日本語!?

              私の萌えのアルバムにまた、最高の一枚が加わりました。
              樹にとっての鳴さんの笑顔はあのキツネ顔でいいのか…?と不安になったけど、ううん、鳴さんが笑ってくれるなら、なんでもいいんだよね!わかってなかったのはこっちのほうだ!!


              鳴さんも面と向かってはぷんすこ文句ばかり云っているわりに、「あれを一晩中考えてたのか…」なんて思い返したりしてるし。
              え、一晩中って、なんなの?鳴さんは樹の夜の過ごし方を把握してるの?樹は「ゆうべ考えてきたんですよ〜」なんて自己申告してないよね?なんで知ってるの?ほんまなんなん?!(頭抱え)
              雅さんといっしょだと、鳴さんはやんちゃで生意気な後輩って感じだったけど、樹といるとどんどん鳴さんのツンデレみが増してきて、私はいったいどうすればいいのか。
              ここの鳴さんの「バカだ…」て、あきらかに彼女が彼氏にいう「バカ」やん。
              自分なんかのために無茶して…呆れるけど、でもちょっとうれしいかも…、なやつやん。
              なにこれ、もうふたり付き合ってるの?付き合ってないの?はっきりしてほしいけど、個人的には両片想いも両想いもどっちもおいしくいただけるんでどっちでもOKですよ、ええ。

              雷市に撃たれた後の、鳴さんの微妙な右足の震え?みたいのだけ、何かのフラグじゃないといいな…。
              考えすぎですよね?ね?
              当然、以前の試合の記憶はよみがえっただろうけど。
              最後のコマ、あんな無慈悲な顔で笑ってるもんね?

              はー、このうえ三巻ももうすぐ読めるなんて。これを糧に来週も生き抜こう。

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                試合終了。

                黒バスのEXRA GAMEが完結。
                ページ数に限りもあり最後駆け足な感じもあったけど、こんなキセキが見たかった!ってのをぜんぶ見せてもらえた幸せな番外編だった。黄瀬くんのゾーン、緑間&高尾コンビの絆、赤司様再臨、紫原くんの本気、ナチュラルに英語をしゃべる火神くん。

                最終回にしてついに、人格統合?を果たした赤司くん。いまは味方だから頼もしい限りだけど、きっとWCではみんな、めちゃくちゃ後悔させられることになるだろうな…。笑
                天帝の眼のさらにうえをゆく能力なんて、ここで「完結」だからこそありえた展開かも。
                そして、ふいうちの虹赤にめちゃくちゃ動揺した。
                虹村さん、まじでアメリカ在住だったのか。そして、めっちゃさらっと「赤司に聞いたよ」って言ったこの人…!海の向こうに行ってからも、中学の後輩と連絡取り合っているの?なんでそんなやさしい笑顔で「いい顔してやがら」なんていっちゃってんの?ふたりはほんとうにただの先輩後輩なの?
                最後まで黒バスは深読みポイントが多すぎるよ…!(頭抱え)

                今回の木吉と虹村のやりとりみたいな、キャラクター同士のすれちがい劇みたいのを永遠に読んでいたいような気持ちになったけれど、それはもう少年漫画じゃないもんね。それでも、いまも世界のどこかで、笑ったり泣いたりしながらバスケしている彼らの日常がつづいているような気がしている。
                この笑顔の先の景色を見られないことだけが、少しさみしい。

                でも、完結後にも舞台に劇場版と、まだまだ新展開が待っている。
                劇場版はおどろきのWC総集編三部作+2017年に「EXTRA GAME」を完全新作でアニメ化とのこと。
                わ〜、この総集編は迷うな…!基本、ストーリーが同じなら何度も観なくていいでしょ派なんだけど、ハイキューや弱ペダみたく新規カット追加もあるでしょう。小野さんの火神くんを、デカいスクリーンで観たい…!絶対かっこいい!!
                「これで最後」と思っていただけにうれしい悲鳴だ。

                藤巻先生、ほんとうにお疲れ様でした。
                はー、彼らと一緒に、青春を駆け抜けた気分だ。
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                  「おおきく振りかぶって」 26 ひぐちアサ

                  秋季大会、千朶戦決着!

                  連載も30巻ちかくなれば、どこかでマンネリ化を感じそうなものですが、「おおふり」にはずっと新鮮なおもしろさがある。この新鮮さはきっと、選手たちがたえず成長しつづけているからなのだと思います。

                  県内屈指の強豪校・千朶に対して、ひけをとらない試合を繰り広げてきた西浦。
                  しかし、フォーム改造中の三橋がリズムを崩し、またたくまに千朶打線につかまってしまう。

                  追いつかれたとおもったら、あっというまに3点差をつけられてしまう。
                  一発で大量得点もありえるところが、野球のおそろしさですね〜。しかも、千朶の強さは打撃力だけではない。選手たちがつねに自分の頭で考えて、「いける」と思えば自分でしかけてくる。
                  みんな打てるから、いい投手がいるから強いわけなじゃない。選手ひとりひとりの判断力と、逆境でも冷静に、したたかに自分たちの野球に徹することのできるメンタリティこそが千朶の強さの源。
                  ただ巧い、下手の問題ではなく、メンタルや経験の面で圧倒的な差をつけられていることを、西浦の選手たちは痛感する。

                  結果として、西浦の秋季大会への挑戦はここで終わってしまうわけですが、この敗戦はけしてネガティブなものではなく「いい負け」ですよね。
                  西浦はいまできることすべてを試して、それでも千朶にはかなわなかった。
                  自分たちの実力を正確に測り、足りないもの、必要なものを明らかにし、その指針となる具体的な「お手本」を目の前で見ることができたのだ。こういう負け試合を経てこそ、ひとは成長できるんですよね。ただなんとなくうまくいってる、というだけでは、得られるものはない。
                  その証拠に、試合後の西浦の選手たちは、どこかわくわくしたような顔をしている。
                  この負けたくせにどこかうれしそうな表情が、すごくいいですよね〜。こいつらほんと、野球好きなんだな!
                  少年誌のスポーツ漫画は基本的に「勝利」によって成長を描くので、「敗北」は「圧倒的な屈辱」として描かれがち。たとえ練習試合であってもIHの決勝みたいに悔しがってこそ本気の証!みたいな熱血主義に、少し距離を感じてしまうことがある。
                  でも、「おおふり」においては勝ち試合も負け試合も、どちらも等しく大事な強くなるためのプロセス。大切なのは、負けを悔しがることそのものではなくて、負けから何を学ぶのか、なのだ。
                  どんなときも、彼らは成長することを楽しんでいる。

                  この試合では、三橋のフォーム改造のほかに、田島と花井の4番争いも見どころ。
                  現時点での打撃センスは圧倒的に田島がうえ。それでもモモカンは、ふたりの特性を最大に引き出すため、花井を4番打者に育てる覚悟を決める。ところが、その決断を察知して、めずらしく田島の鋼のメンタルにゆらぎが生じてしまう。
                  つねづね田島くんの強心臓は羽生弓弦並みだな!と、思ってたけど、そこはやっぱり高校生。田島くんでも動揺することがあるんだ…!
                  田島くんって、ある意味精神的支柱というか、「でも、田島がいる」って事実がチームの自信になっているところがあるので、田島くんと三橋が崩れただけでこんなに心もとない気持ちになるのかと、こっちまでハラハラしてしまった。

                  チーム1の打者として覚悟が決まっている田島と、田島の二番手にあまんじて、いまいち自覚のない花井。
                  このまま花井の覚悟が決まらなければ、田島が花井を「ライバル」だなんて認めるわけない…。ふたりが対等に切磋琢磨し合ってこそ、チームは強くなれるはず。
                  花井、気がやさしいのもたいがいにしとけよ!!さっさと覚悟完了しろ!と、ひとり気を揉んでいたのですが、最後にきっちり主将らしいところ見せてくれました!
                  いろんなひとの想いに感化され、それを背負ってがんばろうと奮起できる。この感受性の豊かさと器の大きさこそが、花井の武器。田島のような鋭さはないけど、きっといろんなものをのみこんで花井なりの「強さ」を見つけられるはず。
                  打ちぬくような田島の死線にたじろぎながらも、がっちり目と目をかみ合わせた花井がいつもよりちょっとたのもしく見えた。がんばれ、キャプテン!

                  大会もひと段落したところで、次巻予告は…「たじまんち いくぞ――――っ」だと!?
                  なんだそれ、私もいきたい!!!
                  野球をしている姿はもちろん、わいわいバカやってるだけの日常も大好きなので、めちゃくちゃ楽しみっ!
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                    「スティーブズ」 1-2 うめ・松永肇一

                    おっと、商品検索したら3巻出てるじゃないか。買ってこよう。

                    詐欺まがいの弁舌で多くの人に夢を見せ、テクノロジーも一種のアートととらえて世界を一変させたスティーブ・ジョブズ。
                    この林檎の魔法使いの傍らには、彼の錬金術を支えたもうひとりの「スティーブ」がいた。
                    技術は0でも野心だけは誰にも負けない自信家・ジョブズと、コンピューターとドーナツがあればそれで幸せなくま男・ウォズニアック。いまはまだ、どこの馬の骨とも知れない若者たちの青春物語。

                    ジョブズはとびきりの天才であると同時に、とびきりの変人。
                    だからこそ没後、彼の生きざまに関するさまざまな書物が刊行されたわけですが、この「スティーブズ」では彼の人生のなかでもとびきり刺激的なシリコンバレー戦国時代にスポットをあてている。
                    なかでも、ジョブズとゲイツの対決は少年漫画顔負けのアツさ!
                    かたや実の父の顔も知らないもらいっ子。かたや「ゲイツ三世」なんて仰々しい名を持つ名士の子息。まったく異なる出自を持つふたりの青年は、同じ年、同じ国に生まれ、運命的な出会いを果たし、ともに世界に名だたる大企業を作り上げていった。
                    アーティストであるジョブズと技術屋のゲイツは、互いに信念を譲らず火花を散らしつづけたが、一方で、唯一の好敵手として認め合ってもいた。こんなに痛快なライバル関係、読んでいるこちらも燃えないわけにはいかない。

                    ジョブズが主人公の漫画なだけに、ジョブズはヒーローらしく、ゲイツはちょっと腹黒そうに描かれているところも、けれんみたっぷりで楽しい。
                    私がこのふたりに興味を持ったのは、高田ゆうきさんの同人誌がきっかけ。高田さんは筋金入りのゲイツファンにして、熱心なアップルユーザーなので、ゲイツのことをものすごい仕事好きのフェアリー(笑)みたいに描いていて、キャラ解釈には作者の好みが反映されるもんだなあ、とおもしろかった。

                    そ対決するといっても戦場はあくまでビジネスの場。なので彼らは、武器ではなく「言葉」。
                    重要なセリフには、まるで戦闘シーンのようなエフェクトや演出が加えられていて、彼らの言葉が持つ「威力」や「影響力」が視覚でも伝わるようになっている。これぞ漫画ならではの表現ですね。
                    事実、ジョブズは言葉の力だけで、コンピューター業界どころか、世界そのものをぬりかえてしまったのだ。

                    やがてジョブズもゲイツも一国一城の主となり、さまざまな人生の困難と直面することとなるのだが、彼らはまだそのことを知らない。なにも恐れず、なににもとらわれず、あらゆるものを巻き込みながら夢だけを追いかけていく。
                    「誰にも負けたくない」という野心と「まだ誰も知らない世界を見たい」という希望を宿して輝く若者たちの瞳は眩しくて、なぜか少しだけせつない。
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