群衆、幻影、都市生活者の孤独。

私がぼーっとしているうちに、12月の京響プレミアム当選していた!やったー。

くるり岸田が作曲した交響曲をかけるクラシックコンサートで、前半部ではくるりの曲を管弦楽に編曲したものも演奏されるとのこと。「ワルツを踊れ」が私的エヴァーグリーンなので、ブレーメンが聴けたらうれしいなぁ。

 

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NANIMONOフルPV、きた!!

 

 

 

 

ピアノイントロのわくわく感がハンパじゃない。

歌詞の言葉えらびもすばらしいな〜!学生と社会人のはざまにいる就活生たちの「人生の踊り場」感がなまなましくて、きっと新卒の時期に聞いてたら、瑕を抉られる心地がしただろう。

 

エレクトロだけど有機的なヤスタカサウンドに、熱を孕んだ平熱、みたいな米津さんの声がぴったり。

意外なようで、まったく違和感のないコラボ。

 

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「LOSER/ナンバーナイン」と「Fantome」をヘビロテしながら会社とおうちを往復しています。

 

ひさしぶりに聴いた宇多田ヒカルの曲は、やっぱりすばらしくて、「当然いいに決まってる」とタカをくくって手に取ったものが、当然にすばらしいって、あらためて凄まじいことだなって思う。

何もかもが変わっていくその先を、いつも見せてくれているってことだから。

 

彼女自身の人生に想い馳せるとともに、自分自身の人生や生き死にについても思いめぐらせずにいられない名盤。

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    「Flowerwall」 米津玄師

    やややややっと米津玄師の新譜買った〜!!
    近所からCD屋がことごとく消え失せてしまって、とうとうアマゾン様の御威光をお借りした。バンプのDVDもいっしょに。

    はああ、なんて素晴らしい
    なんでこんなにせつなく、くるおしく、あたたかいんだろう。
    「あつい」でも「つめたい」でもない、体温とちょうど同じ温度。生きている証に触れる瞬間のあの、ちょっとおっかないくらいの快さを、このひとの音楽を聴くたび鮮明に体感する。

    ますますことばは澄み渡り、残酷な生の輝きをうたっている。
    いまあなたがとなりにいることと、いつか別れがくること。ふたつは似てない双子のようなもの。けして切り離すことはできない。大切な誰かに出会った瞬間から、ひとは希望と絶望の両方を抱えていくことになる。

    「Flowerwall」で描かれる世界の、この得体の知れなさはなんなのだろうか。
    かけがえない「君」と出会いをうたいながら、ここには愛による全能感も、幸福感もない。
    ひとりでは知りえなかった世界の広大さと、有限の時間の短さに立ち竦みながら、つないだ手のぬくもりだけをたよりに地を踏みしめている。運命も不条理も、天国も地獄も、すべてはひとが決めることで、あっちからやってくるもんじゃない。

    米津さんのつくる曲の根っこのところには、どうしたって分かり合えない人間同士への哀しみのようなものがある気がしているのだけど、それを「色とりどりの花の壁」とうたっているところに、これまでにない強い肯定を感じた。
    希望も絶望も、同じ「いっしょにいたこと」の証となって咲いてゆく。
    やわらかにすべてを包みこんでゆく、どこか神秘的な旋律のなかで、かなしみもよろこびも、おわりもはじまりも、おなじひとつの輪廻につながってゆくような気がした。

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    おもしろい曲、あがる曲、心地いい曲、たくさんの音楽が町中にあふれているけれど、たとえば何の気なしにはいったコンビニで流れていて、はっと耳を奪われるような曲ってのは、滅多に出くわすもんじゃないんだ。

    私にとってバンプはそういう音楽で、けっしてBGMやファッションになりえない。首根っこつかんでゆさぶられるような、真正面から向き合うことしか許してくれない。いちど曲が流れ始めればどこだって、そこには彼らの音楽と私のふたりきりになってしまう。
    ハチさんの曲もそう。

    深夜、TVを流しながらPCいじっていたら、Flowerwallが流れ出した。
    それまではただ音がしてる、というだけだったのが、メロディが飛び込んできた瞬間、「あっ、なにこの曲」って顔を上げさせられた。じっくりきいて、かみ砕いて、頭で「いい曲だな、おもしろいな」って理解するんじゃない。「琴線にふれる」という言葉そのものの、まるで条件反射。

    やっぱりこの人のメロディは特別だ。またこういう音楽にめぐり会えたことを、幸せだと思う。
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      「サンタマリア」 米津玄師

      迷いに迷って結局、ストリーミングライブのシリアルナンバーがつく通常盤を購入。
      絵本もDVDも捨てがたかったが、ハチさんの音楽が何より好きなので。できるだけ多く、彼の音楽に触れたい。

      作詞作曲から演奏、録音までひとりでこなしたというアルバム「diorama」から一転して、バンド編成で奏でられたこのデビュー曲。
      ほんとうにシンプルにいい曲だ。デビュー曲なのに王道ど真ん中みたいな風格がある。
      かつてシロップのライブではじめて「Reborn」を聞いたときのことをちょっと思い出した。
      あのときも、はじめてきくのにどこかなつかしい気がした。まるで幼いころから知っていた唄を奏でられているように耳になじむ。
      流れ出した瞬間に心をさらわれて、一回きいただけなのに口ずさんでいる。
      これはもう神様のギフトだねえ。
      つくったというよりも、聞く人の心に潜む旋律をぬきとったかのような普遍的なメロディ。

      そこに乗せられることばも、とても力強い。
      「diorama」には、独特の孤独の手ざわりがあった。「ひとつになれない」なんてことは別々の人間である以上必然であり、そこを起点としてしかコミュニケーションははじまらない。
      ひとつの揺るがぬ事実として、彼の歌は孤独をある意味肯定していた。
      「サンタマリア」はその出発点から、たしかに一歩踏み出している。

      けしてひとつになれない私たちはそれでも、信じることをやめられない。
      通じ合えないとわかっていても語りかけるだろうし、何度傷つこうと誰かを愛するだろう。
      それはいつか死ぬとわかっていても、息をするのをやめられないのと同じことだ。
      私たちはみな、生きるために生きている。
      なにを孤独と思い、なにを幸せと感じるのか。それはさだめられた帰結ではなく、私たちの心が決めることでしかない。
      だから、「どんな日々も過去も未来も間違い」さえも「全て正しい」。それらすべてが私たちの生きた証だ。

      今この間にあなたがいなくなったら
      悲しさや恐ろしさも消えてしまうのだろうか



      ここなんてたった二行で真実を射抜いてしまってる。
      「サンタマリア」はふたりの人間の心を、ガラスに隔てられた面会室に模して歌っている。
      お互いの姿かたちはちゃんと知っていて、言葉を交わすこともできるのに、じかに触れ合うことはできない。ひとであることの哀しさを彼は「呪い」という言葉で歌っている。
      なぜ悲しくなるのかといえば、それはたぶん、隔てられているからじゃない。目の前に「あなた」と呼べる相手だいるからなんだろう。
      ひとりきりで、失うこわさも知らないなら、悲しいもうれしいもきっとわからない。

      この歌のなかで、光と闇は一心同体だ。
      進む先に何があるかはわからない。なのにまるで約束された何かがあるかのように空虚な夢を売る世間の欺瞞、条件反射でネガティブだけまき散らす大衆の短絡。
      世の中に満ちるネガもポジもぜんぶ幻想でしかないんだということをとことん暴いて、その先に生まれてきたままで意味もない、細やかな日常だけが残ったのが「diorama」だった。

      しかし、「サンタマリア」では「意味なんかなくたって」「手をつなごう」と歌われている。報われなくても救われなくても、ただ積み重ねた先にだけ「いつか」は訪れる。
      孤独という圧倒的な事実を知ってなお、その闇を背負って光を求めつづける。そういう覚悟が鳴っている。
      あまりに残酷で、だからこそ傷口からあふれる血のようにあたたかい希望の歌だ。

      トリッキーなアレンジや独特の言語センスにまぎれた、このあやういまでの切実さ。
      彼の音楽がこのさき描く軌跡を、ずっとずっと見ていたい。最後まで見届けたい。そう思った。

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        サンタマリア

        米津玄師「サンタマリア」の初オンエア聞いた!
        いい曲だ〜。ほんと、シンプルにいい曲だ〜。

        演奏からミックスまで自前という「diolama」とは異なり、今回はバンドサウンドという情報は事前に目にしていた。
        いったいどんな感じになるだろう?とドキドキしていたのだけど、色とりどりのフレーズが絡み合う独特のアレンジはそのままに、ストリングも取り入れたことでより音に血が通ったかんじ。なんだかぐっと音がひろがった印象があった。後半に向けて、どんどん曲が膨らんでいくのも心地よい。

        ハチさん、すごくいい声だなあ。
        聴いていてとにかく心地いい。心がさわさわっとくすぐられるような、いてもたってもいられなくなるような響きがある。
        圧倒されるというよりも、駆り立てられる。
        ひさしぶりにシングルを買いたくなるミュージシャンに出会えてうきうきしている。
        初オンエア―を聞くために、部屋でラジオの電波探したからね。バンプ以来だよ。

        「サンタマリア」はライブストリーミング用のシリアルナンバー付き通常版、DVD付き初回盤、絵本がセットの予約限定版となんと三種も仕様があるらしいので、どれにしようか本気で悩む。
        ハチさん多才過ぎだ!
        映像も絵本もハチさんが監修なら観てみたいしなあ。バンプの「orbotal period」みたく、多少高くなってもいいから絵本はブックレットとしてつけてほしい。全部を網羅したものを一個作ってくれれば迷わなくてすむのに!
        同じCDは1つでじゅうぶんというのが信条なのだけど、しばらくは幸せな悩みに苦しめられそうです。

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          「理想的なボクの世界」 plenty ~サイレン(あるいは、遠い海鳴り)

          ゆさぶられた、こじあけられた、踏み込まれた。
          鈍くなっているのがわかる。
          惰性に、しったかぶりに、否定で積み重ねた安寧に、染まっていることに気づかされる。
          細く引き絞られる高音域に、かろうじて響き合うなにかがある。
          こわいな。あともう少し離れれば、届かなくなりそうだ。
          知りたくなくなんか、ないのに。傷つかないように、気づかないように、耳をふさいじゃいないか。まだ間に合うか。そんなの言い訳か。そうか。つまらないものだと、知ってしまうのが怖かった。傲慢な小心者だということは、とうにわかってたんだ。

          言葉だけでも僕は残すよ。それ以上でも、それ以下でもない。
          憶測なんか挟むなよ。その解釈はなんの価値もないんだ。

          何回目の朝が僕を起こした。
          変なプライドぶら下げて。
          どうして人は死んじゃうの?望んでないのに。
          群れ、固まって、嘲笑って。
          枠の中で過ごす僕たちは頭使うんだよ。外に出るんだよ。
          今、君だけに話してるから 誰もいらないよ。

                                                    「枠」


          とても勁い言葉が唄われている。
          誤解する人も、嗤う人も、傷つく人も、いるんじゃないかと思ってしまうほど、ためらいなく紡がれていく。真実はときに残酷だ。優しい嘘や慰めよりずっと、受け入れがたい。彼らには否定や痛みや埋めがたい隔たりも引き受けて、ほんとうのことだけ歌う覚悟があるのだ。漠としたマスへじゃなく、「あなた」のためだけに歌われる唄だ。取り繕うことも、飾ることも必要ない。
          シンプルなメロディーの奥に静かな熱が込められている。海鳴りに耳を澄ますようにたゆたううち、いつしか熱が伝導している。低温火傷の胸がしくしく疼く。ほうっておけない。このままじゃいられなくなる。

          このアルバムの中におさめられた曲はどれも別ななにかになぞりようもない音楽けれど、「枠」は凄かった。私にとって、「犬と猫」再び、だ。
          知らん振りしていたことに気づいてしまって、もう戻れない。(たとえまた、目を瞑ろうと)

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            「kikUUiki」 サカナクション

            サイコー!!

            私にはこのCDのよさをうまく説明することはできないけど、とにかく、さいこう!!
            エレクトロなのに、とても有機的でプリミティブなメロディ。ああ、気持ちいい。ヘンな笛とか、胎動するみたいなリズムとか、飛び込んでくるハンズクラップ、まっさらなのにどこかで聞いたことのあるような懐かしさ。郷愁とでもいうのか、無性にこみ上げてくる風景がある。
            「目が明く藍色」、すげーな!エレクトロか、轟音か、合唱曲か。とんでもないアプローチ。最後にはでっかい夕焼けが見える。すべてを呑みこみ、包みこむマジックアワーだ。


            気に入りは以下。

            【YES NO】

            すぐ答えを出す癖がついてた
            もっと悩める夜に 帰りたくても帰れないから


            【アルクアラウンド】

            この地で この地で 終わらせる意味を探し求め
            また歩き始める

            【シーラカンスと僕】

            曖昧な若さを 無理に丸め ゴミだとした
            どうか僕が僕のままあり続けられますように


            【目が明く藍色】

            制服はもう捨てた 僕は行く 行くんだ
            悲しみの終着点は歓びへの執着さ

            君の声を聞かせてよ

            君の声を聞かせて


            なんだかんだで、わかりやすいメロディの曲が好き。どうしても理解を言葉に頼ってしまう。
            追加公演いけんもんかな、これ…!

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              「うれしくって抱きあうよ」 YUKI

              一寸悩んで、通常盤にした。今月来月とめずらしく新譜目白押しだから倹約した。サカナクションとか9mmとかplentyとかバンプとかバンプとか!こんなに沢山欲しいCDでるの久しぶりで浮かれている。

              かわいくってかわいくってかわいくって、たまんない。
              震えるくらいロマンチックでドラマチックなのに、ちっとも絵空事じゃない。嘘のない、平熱のあたたかさで唄いあげられている。やさしくて、力強い愛に満ち溢れてる。奔放なメロディにのせられる歌詞がどれもこれも素晴らしい。ストーリー性のある歌詞が好きなんだけど、イマジネーションがとまんない。


              【朝が来る】

              ストリングスのイントロっていい。
              瑞々しい緊張感が高まっていって、たゆたうようなメロディへと連なる。タイトルどおりの、ゆっくり光が満ちていくような包容力に満ちている。母の手に優しく揺り起こされるような、すごくいいオープニング。

              【プレゼント】

              YUKIちゃんの変幻自在の唄声を堪能する曲!
              けだるげな唄いだしも、「みったされたっ」の小動物的ハニーボイスも、別人がふたりいるようにしか聞こえないサビも、全部この小柄な身体からでてくるんか…おんなのひとってすごいなあ、とあらためて思ってしまう。かわいかったり、いろっぽかったり、ちっちゃくてか弱いかと思えば、なにもかも包み込めそうにおおきかったり。翻弄されてしまえばいい。

              【COSMIC BOX】

              はいはいはい!これ大好きです!!

              月で生まれた人は 地球には戻れない

              この唄い出しからして、物語のいい香りがしませんか?50万?という埋めがたい距離で隔たれた片想い。遠くから見つめるだけだからこそ、いっそう募る気持ち。宇宙ってロマンスの古典ともいえる題材でありながら、どれほど使い古されてもその神秘性を失わない普遍的なモチーフだ。

              もしも恋に落ちたなら 能力を失う
              爆発してしまう ロボットみたいになれるなら
              あなたと話した全て 忘れないでいれるのに……!!


              また明日も 逢えるのに どうして いつも さようならが きらいになるんだろう?

              この曲の歌詞が好きでやまないのだけど、このあたりなんてもう最高。
              アンドロイドものとか、惑星間遠距離恋愛とか、古き善きSF少女漫画をも髣髴とさせる端正な世界観がすばらしい。叶うはずもないとわかっていながら、それでも、「すべて」を、「永遠」に、閉じ込めてしまいたいと願うこの凶暴なまでの純真。ときめくよ!


              【ランデブー】

              これまた大好き!「COSMIC BOX」「ランデブー」「just life! all right!」の並びはほんとうに贅沢。メインディッシュばかりのフルコースみたいな感じ。
              波乱の予感を湛えたイントロから少しずつ距離を詰めていくようなAメロを経て、昂揚を秘めたBメロでしっかり助走をつけたら、サビで大ジャンプ!っていう、これが気持ちよくなきゃなにが気持ちいいのよな王道のポップス。いろいろつまみ食いしても、やっぱりここに戻ってしまうんだよなあ。こういう真面目に丁寧につくり上げられたスタンダードナンバー大好きだ。

              「好き」ってだけで空も飛べそうな、怖いもの知らずの幼い恋を唄った歌詞が、これまたとんでもなく胸キュン。「泣き虫ジュリエット」と「弱虫ロミオ」ってだけで、どこまでだって羽ばたけそうよ。臆病者同士で、そりゃ「もどかしい……」だろうさ!

              遠く離れた いとおしい胸を合わせたい
              はずかしい……
              傷を舐めあうよ キラッと光るの?
              千切れるくらい高く飛べば 逢えるような気がしてた

              正直つながりとかはさっぱりわかってないのだけど、無性に照れくさくってやらしくってほほえましい。恋してるときのがむしゃらな感情が、恥ずかしいのもまぶしいのもより分けずにごりっと入ってる感じ。
              そして、サビがすごくいい。笑わせたいとか、守りたいとか、他愛ないかもしれないけど、そう思える誰かがいることこそが、「歓びと哀しみ」の寄り添う道を行く支えになるんだと思う。


              【just life! all right!】

              すんごくキュート。すんごくハッピー。

              愛してる オーライ 3度のごはんよりも
              愛してる オーライ なんて言い過ぎだけど

              このむちゃくちゃかわいいサビに尽きる。メロメロ。
              力いっぱいいい切っちゃったあとの、「なんて言い過ぎだけど」って照れ隠し。

              一緒だと 瞬きも 忘れるほどに 食べられるよ
              一緒なら 失敗作だって まだ Eat again

              ささやかだけど、とっても幸福な食卓の風景。ひとりより、ふたりが楽しいって素敵だ。

              【チャイニーズ ガール】

              こういうアルバムじゃなきゃできない遊び心ある曲ってすき。ゆらゆら大河を小船で漂うよう。
              アジアンテイストって気持ちいいなあ。まったく造詣がないのでわからないけど、音階とかに秘訣があるんだろうか。くるりの「GO BACK TO CHINA」なんかも病み付きになって困ったもの。

              【恋愛模様】

              YUKIちゃんのパワフルな歌唱力を堪能する曲!
              この曲すげー!なに、昭和歌謡?ミュージカル?宝塚?すみません、貧困な知識ではたとえようがありません。1曲の中で、1本お芝居みたような感じ。

              「あの道を行くのは2丁目の櫻子じゃあないか?
              もしかして隣町の三男坊と逢い引きしてはるの?」

              唄い出しがこれです。完敗。(何と勝負してるんだ?)一息で引き込まれた。

              【さようなら、おかえり】

              息子さんに唄ったのかな、とも想像できるあたたかい眼差しに包まれた曲。古語を織り交ぜた、郷愁を誘う歌詞がとても好み。私は、ノスタルジーとか、少年時代とかにすこぶる弱いんだ。時は流れ 少

              年は大人に成る
              本当や嘘 優しさの意味を知る
              しわしわの掌を離れてひとり旅に出ます
              自分で選ぶ分かれ道 見せておくれ心意気

              いつか離れ離れになる子への、大きな大きな愛。傷つかないように閉じ込めるんじゃなくて、何度だって行きたいところへ送り出して、傷つくたびに戻ってこられる場所であるように、「さようなら、おかえり」。

              【うれしくって抱きあうよ】

              うれしくって、抱きあうよ。
              寂しいのでも、足りないものを埋めるのでもなく、うれしくって、分かち合いたくって。
              いいことも、悪いことも、うれしくて涙の出た朝も、眠れなかった夜も、ここまで自分を導いた全てに、「ハレルヤ!!」

              【ミス・イエスタデイ】

              喪失や欠落や、届かなかった夢や、つかめなかった愛や。そういうものに無性に惹かれてしまう。
              消えてしまったものたちはどこへゆくのだろう。叶わなかったら、それは、もとからないものと同じなんだろうか。そうじゃないはずだと、きっと私は思いたいんだ。

              君がいたから上手く泣けたんだ

              いまはもう、「君」はいないんだろうけど、あのとき泣けたからいまの自分がいる。

              【汽車に乗って】

              これも唄い出しが奮っている。

              落馬した 砂漠の民は 働いた 働いた

              あの伸びやかな声で「らあーくばしたあー」ってやられたら、何事!?と思うよ!言葉が研ぎ澄まされてる。
              この「汽車に乗って」から「同じ手」「夜が来る」までの流れはとても心地いい。少しずつ空の色が黄昏に近づいていくようなゆるやかなエンドロール。

              【同じ手】

              ブルーグラスっていうんだろうか…もしかしたらいまものすごい恥をさらしているのかもしれない…。素朴な曲調と、YUKIの飾らない唄声に癒される。アコースティックギターってぬくもりがあってやっぱりいい。

              【夜が来る】

              昔のディズニー映画みたいな(見たことも無いのに…イメージです。)甘くて優しい子守唄。
              おやすみ、また明日、よい夢を。

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                「HELL SEE」 シロップ16g

                赤いフィルターを透過させただけで、どうしてこうも陰鬱な景色ができあがるのか。
                この不穏な牧歌的光景は、シロップの音楽そのまんまだと思う。
                “healthy”、つまり「健全である」ことは、あらゆるものの犠牲の上に成立っている。直接的にであれ間接的にであれ、誰かの場所を奪い、大地を汚して、他の生き物を殺して、健康に生きている。生きていく以上避けがたい業を、まざまざと見せつける。生きることそのものが、“HELL SEE”だ。

                「cou'd Etat」の殺気だった音塊のあとに聴けば、随分穏やかにさえ聞こえるけれど、静かにより深刻に病んでいる感じ。「cou'd Etat」のときには、なんとか保っていた反骨さえ崩れ去って、虚無感ばかりが深まっていく。
                CDを回して最初に耳に入る言葉がこれだ。

                さっそく矢のように
                やる気がうせてくねぇ
                「あっそう」っていわれて
                今日が終わる
                                    (イエロウ)


                救えない…
                自分にとって精一杯の違和感さえ、たった一言でいなされて、また日が暮れていく。死ぬまで、ただその繰り返しだ。

                タイトルから歌詞まで韻を踏んだ曲が多い。ほとんど露悪的ですらある言葉遊びなのだけど、悪ふざけで蹴っ飛ばしたその場所から、日常に潜む狂気が顔を出してしまっている。

                想像できない事など
                創造できない すべてが
                平等で平和な世界は
                相当嘘くさい
                                     (Everseen)

                いちいち歌詞を噛み締めて聴いていたら、それこそ発狂してしまいそうな曲揃いなのだけど、この言葉遊びがあるから聴きやすいんだと思う。韻を踏むなかに意味は紛れて、音としてだけ耳に残る。

                メロディも、「HELL SEE」はとくにポップで聴きやすい。ポップって、いっていいのか。音楽用語がわからない…。でも、つい口ずさんでしまうような美メロばかり。
                上のEverseenとか、曲はすごくすかっとするんだよな。
                あと、三拍子フェチの私にはたまらない「正常」。なぜか、絶対といっていいほど3拍子の曲を好きになる。陰鬱な葬送みたいであり、無限の叙事詩のようでもある。循環するメロディを果てしなく拡げて、パノラマをつくりあげてしまう。五十嵐さんの裏声じみた叫びもいいけど、こういう暗澹とした低音もいいな。

                その名のとおり、眠れぬ夜の追想を閉じ込めたような「不眠症」は、シロップのなかでもとても好きな曲だ。静かに、月影をなぞるようにはじまって、最後にはやまぬ嘆きのような激情。

                0

                  「coup d'Etat」 シロップ16g

                  シロップ16g、っていうのは微妙な量だ。16gという数値で考えれば、僅かな重さだけど、ガムシロップ1個の量としてはちょっと持て余す。マックのガムシロは13g。
                  この「ちょっと持て余す」くらいの過剰さで、気づけば侵されている甘い毒だ。

                  彼らのアルバムのなかで、もっとも聴き込んだのが「cou'd Etat」だ。
                  シロップのアルバムのなかでも、いちばん劇物で重い盤だと思う。重低音が前に出てて、世界観は殺伐としてて、唄にも引き裂くような逆ギレ感がある。「cou’d Etat」完成後ベースの佐藤が脱退するのだが、そりゃそういう結果に行きあたってもおかしくないのかもな…と思ってしまうくらい、鬼気迫った曲ばかりだ。メジャー第一弾だってのに、どんなにバンドをいたぶってつくったんだろうとか、いらんことを考えてしまう。聴いているだけで息苦しくなるほどの、己を切り刻むような自問自答。
                  いま聴くと「天才」(大好き。カッコよすぎ!)にたどり着く前に、かなりお腹いっぱいになる。こんなにダウナーになれる音楽滅多にないよ…。

                  十代だった自分にはこの容赦なさも、苛烈さもたまらなかった。白か黒か、突き詰めたものでないと許せなかったころに聴いていたのだ。いまは中途半端に大人になってしまって、諦めることも覚えて、いくら想ってもどうしようもないこともあって、理想と矛盾した惰性もまた人の姿と思える。そういう変遷を一概によかったとも悲しいともいえないけど、そこを経てきたからいまになって「mouth to mouse」が響いたんだろう。
                  愛せるものが増えたのは、なんにしたっていいことだと思いたい。

                  存在の耐えられない卑小さを描かせて、右に出るものはいない五十嵐さんだけど、この一節は神がかり。

                  最新ビデオの棚の前で
                  2時間以上も立ち尽くして
                  何も借りれない
                                        (神のカルマ)


                  すげーわかるわ…
                  しかも夜遊びとかじゃなく、一人だらだらネサフした挙句にまんじりともせず夜明かしたあとの、明け方のレンタルショップね!
                  この世はありとあらゆるもので溢れてるのに、どこにもフィットできない。みんなが面白いといってるのに、自分だけ笑えない。なにもかもに見放されたような、あの疎外感。被害妄想とわかっていても、「なんとなく」や「みんなで楽しく」とかを原動力に生きられない自意識過剰な人間(私だ)は、シロップが鳴らす緩やかな絶望に掻き毟られずにいられない。

                  とんでもなくカッコよすぎる「天才」はもちろん好き。この曲はライブでも「生活」と並んでアツかった。過ぎるほどに感傷的な旋律に震える「ハピネス」もいい。何気に、五十嵐さんのメロディセンスは歌謡曲チックなんだよな。情緒過多なメロディと欠落だらけの歌詞が相俟って、荘厳なくらいに悲壮。
                  そして、「バリで死す」がとても気に入り。音源だからこそ出来る実験作ながら、見事な着地をみせた名曲だと思うのだけど…
                  「全人類兄弟 けんちん汁ちょうだい」とか、すっごくくだらないけどな!でも、そのすっごくくだらない言葉遊びのうらで、センチメンタルを滴らせたノスタルジアを唄いあげる。

                  母さん俺はがんばってるぜ
                  たまに思い出すんだ
                  風の隙間から
                  自転車のうしろで

                  見上げれば月が
                  ずっとついてくるんだ


                  ここの情景描写が泣けてくる。
                  自分を追いかけてくるものなんて夜空の月くらいしかなくて、それすら自分の行く道を照らしてくれているように感じられていた、とり戻せない幼い日の記憶。
                  どんなくだらない大人にも平等に分け与えられていたはずの、すべてに守られていたころの思い出。

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                    「Mouth to Mouse」 シロップ16g

                    syrup16g,五十嵐隆,河野圭
                    (2004-04-21)

                    久しぶりに、ひっぱり出して来て聴いている。
                    荒んだ夜にはSyrup16g。惰性を積み重ねるだけの、ちっとも特別なんかじゃない生をそのまんま歌っちゃってる唄を聴いて寛ぐ。一日の始まり、通勤電車のi-podで聴いたりするのは死んでもごめんだけど(100%仕事する気が失せるから)、月明かりの下はどんな退廃も無常も美しい。


                    生きんのがつらいとかしんどいとかめんどくさいとか
                    そんな事がいいたくて えっらそうに言いたくて
                    二酸化炭素はいてんじゃねえよ
                                                     (メリモ)


                    希望を前に頭を冷やす、夢を叶えてしまって立ち尽くす、やる気は失せていくばっかり。なにも前向きな感情ばかりじゃなくて、嫉妬やひがみすら一瞬のことで長続きしない。正も負も、すべてのものは指の間を滑り落ちて、掌はいつもからっぽ。胸のなかにどうしようもなく空いてしまった深く昏い穴を、埋めようともせずにただ覗き込んでいるだけ。
                    夢も希望も幸せもろくなもんじゃない。そう吐き棄てながらも、ふとした瞬間に触れてしまっては、やっぱりろくなもんじゃんかったと絶望を深める。
                    あんまりだめすぎて安心する。だめすぎて、リアルすぎて、落ちるとこまで落ちて、ちょっと開き直れる。息してるだけで二酸化炭素増やしてんだしね。どうせ生きてるだけで罪悪だからね。そこにひとつやふたつやみっつ恥を上塗りしたって、どうしようもないことに変わりはないよな。死ねないなら、引きずって歩くしかない。
                    なにもかもろくなもんじゃねえと何遍だって思い知らされながら、諦めきれもしないこの業の深さ。

                    さっきCD箱をひっくりかえしてみたら、どうも私が最後に買ったシロップのCDはこれらしい。
                    「Syrup16g」は持ってると思ったんだけどな、見つからない。
                    あまりこの盤は聴きこんでいない。当時はとにかく、疾走感とバンドっぽさがすべてだったのでアコースティックなアレンジにどうもしっくりこなかったんだろうな。そんな私がいちばん聴き込んだシロップのアルバムは「coup d'Etat」…。
                    でも、今聞くとたゆたうような曲調が、眠りの前に聴くにはちょうどいい。
                    シロップの良さはなんといってもメロディの美しさと中毒性だと思う。循環するメロが多くて、頭を回って離れなくなる。
                    単語から生まれるイメージをこっぱみじんこにする「夢」は、間違いなく名曲。
                    あと選ぶなら、徐々に高まっていく旋律がたまらない「I・N・M」、やたら長いイントロ後に五十嵐流の皮肉が炸裂する「メリモ」あたりかな。やっぱりはやい曲好きなのな!

                    あらためて歌詞カードを追うと、最後の曲の歌詞はちょっと肯定的な内容じゃないか…めずらしい。そう思ってタイトルを確認してみれば、「Your eyes closed」。
                    ああ、やっぱりどんなに手を伸ばしたって、何にも届かない。残像だけ。

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