「MAMA」 5-6 売野機子

5巻の表紙、天国的にうつくしいな…。

母の愛を求め、金のために歌い続けてきたガブリエル。誰にも助けを求めることができず、夜の街をさまよっていたガブリエルを迎えにきたのは、彼の歌声にコンプレックスを抱えていたラザロだった。
このお迎えの場面は、つらい展開の多いこの物語のなかで数少ない、完璧な救いのような気がするな…。ラザロがガブリエルに手を差し出したのを見て、心底ほっとした…。

ガブリエルがほしがったものは、最後まで手に入らなかったかもしれない。
それでも、幼い彼らを翻弄するどんな絶望もよろこびも、べつの誰かにとっては遠いパレードのようなものでしかないのだ。諦観にも似た世界の残酷なうつくしさを知って、ガブリエルはほかでもない自分自身の人生を歩みだす。

すべてを失い、たったひとつ手に入れた才能にすら傷つけられつづけた少年は、鳥かごを去り、はじめて自由に歌いだした。たったひとりで歌うようになってはじめて、ガブリエルは歌うよろこびに涙した。
ずっと自分を母の一部のように感じていたガブリエルは、母親と離れてようやく、彼自身の価値に気づくことができたんじゃないか。それは悲しいことにも思えるけれど、誰もがいつか、親もまたひとりの人間であることを知って、大人になっていく。
永遠の代わりに、ガブリエルは未来を手に入れたんだろう。
 
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