ミュシャ展

ミュシャ展を観に行ってきました。

GWは連日超満員とのことだったので、朝いちに並ぶか閉館間際に出かけるか迷ったんだけど、結局9時まで2度寝してしまい、夕方出かけることにした。

それでも、いったんは6時半に目が覚めたのはいい傾向だな。

生体リズム整えるために、就寝時間を2時から1時に繰り上げた成果が徐々に出てきている気がする。

 

午前中から昼過ぎまでまったり少年ハリウッドを観て、17時過ぎに国立新美術館へ。

この時間には券売所&入場待ちの列は解消されていたものの、つぎつぎと訪れるお客さんで館内はほぼ満員状態。いくらか余裕ができたかな?と感じたのは、閉館1時間前の19時代になってからでした。

 

正直、混雑した中で絵を見るのは苦手。

それを差し引いても、今回の展覧会は心から「生で鑑賞することの感動」をかみしめることのできるものでした。

 

ミュシャは華麗なアールヌーヴォーの版画作品などで、日本人にも馴染み深い画家。

ミュシャをリスペクトするイラストレーターや漫画家もたくさんいるので、子どもの頃から漫画やアニメに親しんできた人ならどこかでいちどは作品を目にしたことがあるはず。

あまりに知名度が高いので、正直私は、芸術家というよりデザイナーや商業作家のようなイメージを持っていた。

しかし、今回の展覧会であらためて、ミュシャってものすごいアーティストだったんだな〜〜〜!!と思い知らされました!

 

ミュシャ展は「スラブ叙事詩」というミュシャの故郷の歴史を題材とした巨大な油彩画を中心に構成されています。この全20点に及ぶ作品が、チェコ国外でまとめて展示されるのはじつに世界はじめてのことだとか。

これはぜひ見てみたい!と久しぶりに美術館に足を運びました。

 

まず圧倒されるのは絵の大きさ。

ひとつひとつの作品が、とにかくデカい!

展示室の壁を埋め尽くし、天井にも届きそうな縦6メートル・横8メートルという巨大なカンバスに描かれているので、どれだけ観客がいようと、展示室のどこからでも作品を観賞できます。

「前のひとの頭で絵が見えない!」なんてストレスはほぼなく、むしろ「オペラグラス持って来ればよかった…」と思ったほど。(実際、持ってきている強者も見かけました。)

絵に取り囲まれているような展示室は、西洋のカテドラルにいるような、芸術が空間となって迫ってくるような迫力がある。

こんな巨大な絵をいったいどうやって描いたのか、どれほどの時間が費やされているのか、まったく想像ができない世界に、畏怖すら感じる。圧倒的な巨大さって、一種の「おそれ」を呼び起こしますね。

 

そして、その大きさに関わらず、細部までめちゃくちゃ精緻に描きこまれていて、まるで見飽きない。

歴史に名を連ねる芸術家にこんなことをいうのはおかしいってわかっているのですが、絵を見てまず浮かんだのは、「なにこの、神絵師…!」でした。

ミュシャの絵って、PCソフトでのイラスト作成に親しんだ、いわゆる「絵師」と呼ばれる人の絵を想起させるんですよね。

もちろん、画力も構成力も発想もぜんぶがぜんぶ、とてつもない上位互換なのですが!!!

それでも、基本に忠実な描写力、意匠をこらした装飾的描きこみ、物語性を感じさせる画面構成、PCモニタのように発光する色彩は、現代のイラストレーターの感性に通じるものがあるように思える。

この巨大な作品の全体像をとらえられる距離では、ぜったい視認できないだろうっていう細部まで、きっちり手を抜かずに描きこんでるんですよね…。モブレベルの人物や、影絵みたいな背景も、しっかり表情や陰影が描きこまれている。

くやしいけど、この凄まじい情報量は、印刷物では伝えきれないなぁ。

 

そして、何よりすごいのは、色彩の鮮やかさ。

色がめちゃくちゃキレイなんですよ〜〜〜!印刷物とはまるで別物。

ポスターや図録の何倍も、現物は立体的に見えます。色彩がとても鮮やかで、絵というより「映像」みたい。

まるで絵そのものが発光しているように見えるんですよね。

「光」そのもののようなまぶしい色彩が大きなカンバスの要所要所に取り入れられていて、それが絵に物語を生んでいるように感じた。

天上世界と地上世界で色相を分けていたり、描かれている複数の歴史的事象を異なる色彩で塗り分けたり。斬新で自由な発想が、やわらかくも鮮やかな色彩で包み込まれて見事に調和し、ここにしかない幻想的な世界を作り上げている。

 

物販スペースで図録を手に取って、「あ、この絵の凄さは印刷ではわからないな」って実感して、あわててもういちど見納めておこう!と引き返したくらい。

たとえ音楽や映像がなくても、ただ1枚の絵だけでスペクタクルを与えることってできるんだなぁ。

ほんものに触れることでしか得られない感動をもらったいい夜だった。

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