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    「GIANT KILLING」 31-33 ツジトモ

    「勝つからには上を目指す」。

    達海の捨て身の本気を見せつけられて、自分たちは変わらなければいけない、ということを痛感した選手たち。

    変革への一歩として、彼らが選んだ答えは、キャプテン交代。

     

    キャプテンという重責を担うことで、いち選手としての己に甘えが生じているのではないか。

    選手として一秒でも長くピッチに立つためには、プライドも栄誉も捨てて、がむしゃらになるべきじゃないのか。

    そしてそれこそが、いま最もチームにとって必要なことではないのか。

    そう考えた村越は、ETUの未来を中堅選手のまとめ役である杉江に託す。チームの現状と、達海の心意気、そしてミスターETUから託されたものの重みを感じながら、杉江はキャプテンマークを受け取った。

     

    強くなるって、つねにトライアンドエラーの繰り返しですね。

    どんなにうまくいっていても、そこで満足してしまえばたちまち取り残されていく。こわくても、不安でも、どう転ぶかわからなくても、挑み続けるしか前へ進む方法はない。

    ETUは前へ進むため、ひとつ大きな決断を下しました。

     

    監督交代後の第一戦は、最強ブラジル人トリオを擁する名古屋。

    前半戦でも開幕5連敗のあとに対戦し、勝利した相手。

    強者揃いの布陣にもかかわらず、監督は小者感全開というところに、いやがおうにも「名古屋なんてやっちまえ!」ムードが高まります。笑

     

    再起を誓うETU。もう負けられない名古屋。

    雨のなかで始まった因縁の対決は、一戦目とは異なる様相を呈する。

     

    3人で攻撃を完結させられるブラジル人トリオの強みを生かし、引いて守ってカウンターという「負けないサッカー」をしてくる名古屋。堅い守りにETUも攻めあぐねるなか、こう着する試合の均衡を破ったのはジーノの左脚一閃!

    ETUの選手たちが達海監督に駆け寄る感動的なワンシーン。

    その裏側で、不破監督もまた嫌われ者としての覚悟を固める。

    ここは、不破監督の信念を感じさせる場面ですね。

    個人的には、厳しさばかりが勝負の世界に必要なものとは思いませんが、ちょっとやそっとでは揺るがない絶対的な信念がければ、監督業のような孤独な仕事はまっとうできないんだろうなぁとあらためて思いました。

     

    先制されようとスタイルを崩さない名古屋は、徐々にペースをつかみ始める。

    なかなか前線までボールが回ってこずに退屈していたアタッカー・ペペも、動物じみたキレある動きを発揮。

    「そこから決めるのかよ!!?」と叫びたくなる圧倒的なシュート2本で逆転。ETUは1点ビハインドで前半を折り返す。

    ブラジル人トリオすごすぎる!

    なによりこの3人のプレーって、見ていてほんとうにおもしろい。

    何をしでかすかわからなくて、わくわくさせられます。


    ブラジル人トリオが活躍する陰で、地味に効いていたのが、ファンから愛されるベテラン・川瀬。

    久しぶりに出場機会を得たミスター・名古屋が労を惜しまず、ETUのトップ下・椿の存在を消し続けていたことが、ETUの攻撃から怖さを奪っていた。

    試合中の当たりの強さをバカ正直に謝りに行って、前半終了時、川瀬から「若いうちは周りを気にせず、我が儘にプレーしろよ」と言葉をもらった椿。

     

    前へ進むために選んだ道が正しいものだと証明するためには、結果を出すしかない。

    腹をくくって選手たちは後半戦へと臨む。

     

    雨で体力を削り取られるなか、後半戦はますます大乱戦となる。

    この試合、スタジアムで観ていたらきっと大興奮だっただろうな〜!ま、この大雨のなか観戦に出かけるのは、にわかファンには試練に等しいけど。

     

    連戦で疲れを貯めた両チームの司令塔の変調。

    さらに野性を剥き出しにするペペはハットトリック達成。ペペ相手に身体を張り続けた結果、レッド2枚をくらって黒田は退場してしまう。ETUは10人で2点を追いかける、圧倒的に不利な展開に。

     

    あきらめムードが立ち込めそうになるなか、空気を一変させたのは夏木!

    入って当然のシュートはミスる代わりに、とんでもないゴラッソを決めるお祭り男が、強烈なボレーシュートを相手ゴールにたたき込む!

    夏木のゴールで息を吹き返したETUは一気に攻撃へと転じる。

     

    気負うあまりに忘れかけていた、楽しむことのたいせつさを思い出した椿。キャプテンという建前を捨てて、再び全力で己を試すためプレーしはじめた村越。いままで「犬」扱いしていた椿からの本気の要求に、いつにない本気で応えたジーノ。

    どんなプレーもちゃんと達海は見ている。だから、おそれることはない。

    監督への絶対的な信頼感が、たとえ逆境でもけしてあきらめない勇気を選手たちへ与えていく。

    徹底したチャレンジの末に訪れた、試合終了間際の劇的な逆転ゴール。

     

    この一勝で、チームが生まれ変われるわけではない。

    それでも、ETUはただの一勝以上に重い、ほんとうの「強さ」への一歩を踏み出した。

    試合後、達海はチームにひと言、「タイトル、獲りに行くぞ」と告げる。

     

    覚悟のほどは伝わった。

    あとは、選手のひとりひとりが、それをピッチの上で体現するだけだ。

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