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    「スウィーパーはときどき笑う」 榎田尤利

    交渉人シリーズ、キヨ・智紀編のスピンオフ。
    待望のちっちゃいのとおっきいののお話ってことで、すごく楽しみにしていた本作。
    内容のすばらしさはもちろん、榎田さんは本当に、書くことであらゆるおとしまえをつけている人なんだなあ、と心底感動した。24歳のキヨと17歳の智紀の恋を描く本作は、都条例の改正に対する榎田さんなりの所信表明とも読める作品になっている。

    生きること死ぬこと、笑うこと泣くこと、最期は絶対にひとりで死ぬこと、なのに絶対にひとりじゃ生きられないこと。
    魚住くんシリーズのころからずっと、榎田さんはたったひとつのことを書き続けている。作家生活十年を迎えて、その表現の芯ともいえるものが、ますます太くしなやかになっていることを実感させられる一作だった。

    身体の大きさも性格もまったく違う二人だけど、ちがうからこそ補い合い支えあえる。
    一人じゃどうにもならなくて、ふたりでも無理だったとしても、いっしょなら何度でも起き上がることができる。ひどいツラだなって、笑いながら。いままでもこれからもずっと、二人の関係は守るでも守られるでもない、対等な「相棒」なのだ。

    ずっとこんなお話が読みたいなあ、って願ってたんだ。
    愛に頼らない。弱さにあまえない。愛しい気持ちと等しく、互いを信頼している。
    それこそあの、火の海でとんだシータとその手を掴んだパズーくらいに!

    ラスト二行に26歳最初の涙をかっさらわれた。
    ええい、もってけ泥棒め。おまえら、ほんとに最高だ!
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