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    「34歳無職さん」1 いけだたかし

    34歳という働き盛りに、あえて「働かないこと」を選んだ女性・無職さん。

    無職さんの日常があまりに休日の自分そのもので、もしかして誰かに見られてる!?とすこし焦った。
    ご飯をつくって洗濯して、掃除機かけて、本を読んで、読みながら寝てしまって、夜道を本屋まで散歩。
    どんなに変わり映えしない生活でも、なにも考えずに暮らすなんてことはやっぱり不可能。「明日こそゴミ出し忘れないぞ」とか「今日はこの本を読了」とか「あたらしい掃除機買おっかな…(でも無駄遣いはできないし…)」とか、思いをめぐらせることは尽きない。

    でも、いざ誰かに「週末何してた?」なんてきかれたら、結局「べつになにも」とこたえてしまう。
    「べつになにも」の裏に隠された、ちっぽけな幸せやすこしの罪悪感、あいまいな不安や想像のなかだけのあまい夢想。
    ひとりきりだからこそ味わえる、日々のささやかな浮き沈みが見事に切り取られている。

    しかしこの無職さん、お気楽独身貴族の私とはちがって、なにやらワケありのご様子。
    私自身30を目前に、このままなんとなく働いてるだけでいいのかなあ、とぼんやり考えることも増えてきた。
    無職さんが何を思って「働かないこと」を選んだのかに興味津々です。
     
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      心のなかの居候

      幼なじみたちと、川崎にできた藤子・F・不二雄ミュージアムへでかける。

      4人中2人はもう学生時代とはちがう苗字になっているのだけど、当時と変わらぬあだ名で呼び合う仲。なにもかもが変わってゆくなかで、こうして変わらぬ付き合いができるのはありがたいことです。

      ユーモア溢れる展示に童心にかえって楽しみました。
      藤子作品のキャラクターたちはもはや、小さいころからずっとそばにいてくれた友だちみたいな存在。みんなの心のなかに居候している。
      ミュージアムカフェの暗記ぱんフレンチトースト、美味しかった。
      あこがれていた秘密道具を食べられるなんて夢のようだ。
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        「舞姫 テレプシコーラ 第2部」1-5 山岸凉子

        震えるほどにおもしろい…!
        新人バレリーナの登竜門として名高い、ローザンヌ国際バレエコンクールに挑戦する六花を描く第二部。第一部での別れの数々を経て、より深く六花はバレエを愛するようになっている。

        相変わらずおっちょこちょいで小心者な六花だけど、一部のころよりぐんとたくましくなった。
        ピンチのたびに千花ちゃんの叱咤激励を思い出して踏ん張る六花ちゃんの姿を見ていると、過ぎる悲しみでゆがめてしまうことなく、凛と前だけ向いていた千花ちゃんを心に刻んで踊り続けてきたんだろうな、ということが伝わってくる。
        千花ちゃんの情熱は六花ちゃんが踊る限り、きっとこの世から消えることはないだろう。
        六花ちゃんの踊りのおかげで、ずいぶん心がなぐさめられました。

        第二部の見どころはなんといっても出自不明の天才ダンサー、ローラ・チャンと六花のふしぎな信頼関係。
        コンテンポラリーのレッスンで、倒れてしまった六花にかわってローラが六花の創作を踊りきったシーンでは、ぶわあっと涙が溢れてきた。ふたりの気高いバレエへの愛に感激してしまった。

        技術は平凡でも豊かな想像力をもつ六花と、どんなふりつけも踊りこなす技術を持つローラは、きっとベストパートナーになれるはず。
        ああ、漫画の世界に入りこむことが出来るなら、六花とローラの行く先をずっとずっと見届けたい…!!

        私はどうもこのふたりに、「日出処の天子」の厩戸皇子と毛人を重ねてしまっているところがある。
        ローラの持つ凄みのある美貌、他を圧倒するほどの才気、そして愛に飢えた孤独な半生は、そのまま皇子に重なるし、正しく愛されて育った者だけが持ちえるぬくもりを持つ六花は、やっぱり毛人に似ている。
        ローラには自分の才能で自分を殺してしまうようなことなく、理解者を得て踊ることを楽しんでほしい……そう願ってやまないのは、毛人と道を分かつしかなかった皇子の選択に、いまなおやりきれない想いが消せないからかもしれない。
        幸い六花とローラには、互いを結びつけるバレエがあるのだもの。ふたりの少女が手と手をとって、しわしわのおばあちゃんになっても踊り続けている…そんな未来もあるかもしれない。
        そう想像するだけで、私はなんだか、救われる思いがするのです。
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          「恋する暴君」 8 高永ひなこ

          苦節7巻に渡るツンツンツンツンツンツンツンのあとでは、ささやかなデレがこんなにも輝くのかと!

          BLは受けをヒロインに仮託したロマンス作品ともいえるけれど、「恋する暴君」においてヒロイン的役目を果たしていたのは、攻めの森永のほうだったのかも。
          兄さんが森永を「恋愛脳」と罵っているのをみて、ああ、そういうことかとすごく納得がいった。
          BLの攻めといえば受けを支えるだけの包容力のある、仕事がデキるタイプが基本。私も正直、森永は宗一さんのためにも、もう少し真面目に将来のことを考えるべきなんじゃ…と思っていました。

          でも、森永にとって人生のプライオリティの第一位にあるのは、「恋愛」なんですね。
          彼にとって重要なことは兄さんといっしょにいること、このひとつだけ。べつに仕事に対して手を抜いてるとか、ほかのことをないがしろにしてるというわけではない。
          いっぽう破天荒なようで、そのじつ超保守派の常識人である兄さんにとっては、仕事こそが生きがい。だからどうしても、森永の恋愛への一途さが理解できずにすれちがってしまう。ふたりの7巻に渡るすったもんだは、この根本的な価値観の違いが原因だったんだなあ、とすとんと腑に落ちました。

          正直なところ、兄さんは恋愛しなきゃしないで生きていけるタイプだと思う。
          仕事にやりがいを感じているし、家族とも絆が深い。兄さんは立派な大人で、誰かの支えが必要なかよわい受けなどではない。それでも、自分を愛さずにいられない森永を受け入れて、変わっていく決意をする。

          連載当初から、どうみても受け攻めのビジュアルが逆転している!と話題を呼んだ「恋する暴君」。
          じつは中身のほうでも、男前な受けが恋するオトメな攻めの恋心に報いるという、BLセオリーの逆をいく作品になっていたんだな。
          最後まで互いの価値観を貫いてハッピーエンドを迎えた、ふたりの未来に幸あれ。
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            「恋愛☆コンプレックス」 月村奎

            雑誌掲載時から月村さんにしてはあたらしい作風にびっくりし、文庫化を楽しみにしていました。
            なんと月村さんなのに濡れ場もばっちりです!!
            いつも朝チュンで「ちくしょー、またろくに喘ぎもしないうちに夜が明けてしまったではないか!」と焦れ焦れさせられてきただけに、と感激しつつもそわそわしてしまった。あんまり幸せだとちょっぴり不安になってしまうのがオトメ心の複雑なところ。
            しかしこのエロシーンこそが、この作品の肝なのです。

            かつて同僚にゲイであることをバラされて職を失った貧乏漫画家の朋樹は、隣人の超イケメン大学生・玲央にひっそりと片想いをしている。そっと遠くから見ているだけでいいと思っていた玲央にある日「好きだ」と告げられる。

            こんなイケメン大学生が、自分みたいなしょぼい男を好きになるはずがない!
            過去のトラウマから玲央の告白を信じられずにパニックになった朋樹は、もう恋で失敗したくない一心から、遊びなれた女王様を装って玲央にのっかってしまう。両想いのはずが朋樹の並みはずれた被害妄想のせいで、ふたりはなぜか「身体だけの関係」に…。
            待望の濡れ場のはずが、吹き出してしまうほどへんてこな状況に。笑
            しかし、丁寧な心理描写とあいまって、滑稽なのにせつないほかにはない味わいが出ている。

            月村さんのお家芸「自虐的な受け」をネタの域までデフォルメし、いつものセンチメンタルではなく笑えるラブコメに仕上げた新境地。おもしろかった!
             
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              家出息子のブルース

              バンプのインタビュー・ライブレポートが掲載された雑誌をまとめて購入。
              「CUT」2月号掲載のインタビューがおもしろかった。

              渋谷さんはインタビューの際にかならず自分なりの「ストーリー」を用意している人だ。
              ざっくばらんなコミュニケーションのなかからアーティストの本音を掬いだしていくというよりも、がっつり作品を聞き込んで仮説をつくりあげたうえで、やりとりを通してその仮説を緻密に検証していくような、きさくだけれど緊張感のあるインタビューをする人、というイメージ。
              けして堅苦しいわけじゃなく、読み終わる頃には「あっ、そういうことか!」と膝をうつような発見があるのでいつも楽しみにしている。
              もちろん、渋谷さんの用意した「ストーリー」だけがそのアーティストのすべてではない。多面的な人間をある一面から切り取ることは、当然抵抗も生まれるだろうけど、持論のないひとのインタビューほど退屈なものもないだろう。

              藤原基央の表現に刻まれた、深い喪失感のようなものはいったいどこからきたのだろうと、彼らの音楽に出会ったころからずっと不思議に思っていた。
              今回のインタビューはその、彼の表現の核となる何かに、断片的に触れられていた気がして(という遠まわしな書き方になってしまうのは、彼自身が音楽じゃなく「言葉」だけですべてを「説明」してしまうことを、半ば自分に「禁じて」いるようなところがあるからだが)とても興味深かった。

              ふじくんはもしかしたら、家出息子なのかもしれない。

              「ガラスの眼をもつ猫」に明確なモデルがいること。
              その猫を「ガラスの眼」と表現するもととなった出来事。そのときの心の動き。
              そして、その出来事が「R.I.P」の「しっぽの生えた友だち」との描写に繋がっていること。
              彼の書く歌詞には血が通っていると感じていたけれど…言葉のひとつひとつに、不特定多数の人間とは到底共有することのできない濃密さで、藤原基央個人の「記憶」が刻まれているんだと震える思いがした。ブレないにもほどがある。

              「コスモノート」の歌詞は、これまでのアルバムと比べても非常にプライベートな匂いが濃いものだった。
              それなのに、ちっとも閉じたところがなく、むしろ無限に拡がる宇宙のような大きさを感じるのは、プライベートな記憶のひとつひとつが、とても普遍的な感情につながっているからなのかもしれない。彼自身の記憶を共有することはできなくても、共有できないせつなさや、唄われている感情は、生きて死ぬ存在なら誰もが知っているもの。
              この感受性、この記憶力、ほんとうに凄まじい。
              できることならいちど、ふじくんの眼から世界を見てみたい。すこしこわい気もするけれど。
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