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    「MAMA」 5-6 売野機子

    5巻の表紙、天国的にうつくしいな…。

    母の愛を求め、金のために歌い続けてきたガブリエル。誰にも助けを求めることができず、夜の街をさまよっていたガブリエルを迎えにきたのは、彼の歌声にコンプレックスを抱えていたラザロだった。
    このお迎えの場面は、つらい展開の多いこの物語のなかで数少ない、完璧な救いのような気がするな…。ラザロがガブリエルに手を差し出したのを見て、心底ほっとした…。

    ガブリエルがほしがったものは、最後まで手に入らなかったかもしれない。
    それでも、幼い彼らを翻弄するどんな絶望もよろこびも、べつの誰かにとっては遠いパレードのようなものでしかないのだ。諦観にも似た世界の残酷なうつくしさを知って、ガブリエルはほかでもない自分自身の人生を歩みだす。

    すべてを失い、たったひとつ手に入れた才能にすら傷つけられつづけた少年は、鳥かごを去り、はじめて自由に歌いだした。たったひとりで歌うようになってはじめて、ガブリエルは歌うよろこびに涙した。
    ずっと自分を母の一部のように感じていたガブリエルは、母親と離れてようやく、彼自身の価値に気づくことができたんじゃないか。それは悲しいことにも思えるけれど、誰もがいつか、親もまたひとりの人間であることを知って、大人になっていく。
    永遠の代わりに、ガブリエルは未来を手に入れたんだろう。
     
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      「MAMA」1‐4 売野機子

      24年組の再来との呼び声高い売野機子による、少年たちの寄宿舎物語。

      長髪の美少年、短パン、才能と相克、そして禁断の恋。いにしえの少女漫画ファンには、この設定だけで垂涎もの。
      ギムナジウム様がおでましになったぞ〜〜〜!であえであえー!!

      舞台は変声期前の少年たちが集う音楽学校の寄宿舎。神に選ばれた者のみがここで歌うことをゆるされるが、真の「天使の歌声」に達したものは、その声の美しさが頂点に達した瞬間、命を失うという。
      下手したら「中二病」と切って捨てられそうな危うい設定に、どこか懐かしくはかなげな描線と、文学的なモノローグが緊張感を与えている。
      ここにあるのは、切実な愛への希求。タイトルに冠せられているとおり、少年たちはそれぞれに家族への複雑な想いを抱えている。
      近づけば疎ましく、遠ざかれば恋しい。満たされない心を埋めるように、少年たちは歌に没頭していく。

      無欲さゆえに才能に愛されるガブリエル、ガブリエルと出会い嫉妬を知るラザロ、友の死の呪縛から逃れられないアベル、いけないと知りながら恋に溺れるシオン。
      隔離された空間のなかで、惑い、嘆き、打ちひしがれ、それでも「愛されたい」ともがく少年たち。その姿は、痛々しくも耽美な魅力をはなつ。
      なかでも2巻は、痛みと慈愛に満ちた少年愛の物語。最年長で唯ひとり長ズボンのアベル(黒髪クール)と、彼の「生贄」になったミカ。はけぐちのように、代償のように、ただ傷めつけることだけでつながりながら、ひとりよがりな優しさを許しあった。
      兄弟のように、自分自身のように、ミカはアベルのことを許した。少年愛が描くものは、恋というよりも、一種の自己愛、承認欲求のようなものなのかもしれないな。
      ありがたいものを読ませてもらいました。
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        「ダイヤのA act.供 2 寺嶋裕二

        ※※※これ以降、脳内だだもれの樹鳴語りです。腐警報。※※※

        act.2巻、苦労してゲットした甲斐があったよ〜〜〜〜〜!!!!
        負けてさらなる凄みを増した鳴さん…ほんとうにキングだよ…ラスボスだよ!うつくしいよっ!!
        見下ろすまなざしが最高に不遜で不敵!!もう生意気で血気盛んなエース様じゃないのね。ひとつの負けがこんなにひとを成長させるんだなって感慨深い。こりゃあ、おそろしい魔物をめざめさせてしまったなぁ。

        そして、うわさどおりの樹鳴だった…!!!
        なんでこのふたり、出てくるたびにこんなにプレシャスな萌え体験を与えてくれるんだろう!!!??
        まじで公式が最大手すぎるんですが!けしからん!!

        樹はきっと御幸にはなれないと思う反面、彼なりの成長がたしかに感じられて、終始ほほえみがとまらなかった。

        樹の最大の魅力は「伸び代」である気すらしてくる。
        このふたりを見ているあいだ、私はずっとにやけている自覚がある…気持ち悪いことこのうえないと思うのだが、どうにもとまらない。
        樹ほんとうに…ほんとうに鳴さんのこと大好きなんだな〜〜〜!!!!
        まえは鳴さんが不機嫌なだけで、どうすりゃいいのって感じだったけど、いまはちゃんと鳴さんのこと見えてるし、自分がやるべきこともわかっている。その結果があのマウンドでの一発ギャグってのは、「なんでそうなった!?」としかいいようがないけど、この一途さが樹だよなぁ。
        そのうえ、「その笑顔が見たかったんです!」なんて殺し文句まで。なにこの声に出して読みたい日本語!?

        私の萌えのアルバムにまた、最高の一枚が加わりました。
        樹にとっての鳴さんの笑顔はあのキツネ顔でいいのか…?と不安になったけど、ううん、鳴さんが笑ってくれるなら、なんでもいいんだよね!わかってなかったのはこっちのほうだ!!


        鳴さんも面と向かってはぷんすこ文句ばかり云っているわりに、「あれを一晩中考えてたのか…」なんて思い返したりしてるし。
        え、一晩中って、なんなの?鳴さんは樹の夜の過ごし方を把握してるの?樹は「ゆうべ考えてきたんですよ〜」なんて自己申告してないよね?なんで知ってるの?ほんまなんなん?!(頭抱え)
        雅さんといっしょだと、鳴さんはやんちゃで生意気な後輩って感じだったけど、樹といるとどんどん鳴さんのツンデレみが増してきて、私はいったいどうすればいいのか。
        ここの鳴さんの「バカだ…」て、あきらかに彼女が彼氏にいう「バカ」やん。
        自分なんかのために無茶して…呆れるけど、でもちょっとうれしいかも…、なやつやん。
        なにこれ、もうふたり付き合ってるの?付き合ってないの?はっきりしてほしいけど、個人的には両片想いも両想いもどっちもおいしくいただけるんでどっちでもOKですよ、ええ。

        雷市に撃たれた後の、鳴さんの微妙な右足の震え?みたいのだけ、何かのフラグじゃないといいな…。
        考えすぎですよね?ね?
        当然、以前の試合の記憶はよみがえっただろうけど。
        最後のコマ、あんな無慈悲な顔で笑ってるもんね?

        はー、このうえ三巻ももうすぐ読めるなんて。これを糧に来週も生き抜こう。

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          試合終了。

          黒バスのEXRA GAMEが完結。
          ページ数に限りもあり最後駆け足な感じもあったけど、こんなキセキが見たかった!ってのをぜんぶ見せてもらえた幸せな番外編だった。黄瀬くんのゾーン、緑間&高尾コンビの絆、赤司様再臨、紫原くんの本気、ナチュラルに英語をしゃべる火神くん。

          最終回にしてついに、人格統合?を果たした赤司くん。いまは味方だから頼もしい限りだけど、きっとWCではみんな、めちゃくちゃ後悔させられることになるだろうな…。笑
          天帝の眼のさらにうえをゆく能力なんて、ここで「完結」だからこそありえた展開かも。
          そして、ふいうちの虹赤にめちゃくちゃ動揺した。
          虹村さん、まじでアメリカ在住だったのか。そして、めっちゃさらっと「赤司に聞いたよ」って言ったこの人…!海の向こうに行ってからも、中学の後輩と連絡取り合っているの?なんでそんなやさしい笑顔で「いい顔してやがら」なんていっちゃってんの?ふたりはほんとうにただの先輩後輩なの?
          最後まで黒バスは深読みポイントが多すぎるよ…!(頭抱え)

          今回の木吉と虹村のやりとりみたいな、キャラクター同士のすれちがい劇みたいのを永遠に読んでいたいような気持ちになったけれど、それはもう少年漫画じゃないもんね。それでも、いまも世界のどこかで、笑ったり泣いたりしながらバスケしている彼らの日常がつづいているような気がしている。
          この笑顔の先の景色を見られないことだけが、少しさみしい。

          でも、完結後にも舞台に劇場版と、まだまだ新展開が待っている。
          劇場版はおどろきのWC総集編三部作+2017年に「EXTRA GAME」を完全新作でアニメ化とのこと。
          わ〜、この総集編は迷うな…!基本、ストーリーが同じなら何度も観なくていいでしょ派なんだけど、ハイキューや弱ペダみたく新規カット追加もあるでしょう。小野さんの火神くんを、デカいスクリーンで観たい…!絶対かっこいい!!
          「これで最後」と思っていただけにうれしい悲鳴だ。

          藤巻先生、ほんとうにお疲れ様でした。
          はー、彼らと一緒に、青春を駆け抜けた気分だ。
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            「おおきく振りかぶって」 26 ひぐちアサ

            秋季大会、千朶戦決着!

            連載も30巻ちかくなれば、どこかでマンネリ化を感じそうなものですが、「おおふり」にはずっと新鮮なおもしろさがある。この新鮮さはきっと、選手たちがたえず成長しつづけているからなのだと思います。

            県内屈指の強豪校・千朶に対して、ひけをとらない試合を繰り広げてきた西浦。
            しかし、フォーム改造中の三橋がリズムを崩し、またたくまに千朶打線につかまってしまう。

            追いつかれたとおもったら、あっというまに3点差をつけられてしまう。
            一発で大量得点もありえるところが、野球のおそろしさですね〜。しかも、千朶の強さは打撃力だけではない。選手たちがつねに自分の頭で考えて、「いける」と思えば自分でしかけてくる。
            みんな打てるから、いい投手がいるから強いわけなじゃない。選手ひとりひとりの判断力と、逆境でも冷静に、したたかに自分たちの野球に徹することのできるメンタリティこそが千朶の強さの源。
            ただ巧い、下手の問題ではなく、メンタルや経験の面で圧倒的な差をつけられていることを、西浦の選手たちは痛感する。

            結果として、西浦の秋季大会への挑戦はここで終わってしまうわけですが、この敗戦はけしてネガティブなものではなく「いい負け」ですよね。
            西浦はいまできることすべてを試して、それでも千朶にはかなわなかった。
            自分たちの実力を正確に測り、足りないもの、必要なものを明らかにし、その指針となる具体的な「お手本」を目の前で見ることができたのだ。こういう負け試合を経てこそ、ひとは成長できるんですよね。ただなんとなくうまくいってる、というだけでは、得られるものはない。
            その証拠に、試合後の西浦の選手たちは、どこかわくわくしたような顔をしている。
            この負けたくせにどこかうれしそうな表情が、すごくいいですよね〜。こいつらほんと、野球好きなんだな!
            少年誌のスポーツ漫画は基本的に「勝利」によって成長を描くので、「敗北」は「圧倒的な屈辱」として描かれがち。たとえ練習試合であってもIHの決勝みたいに悔しがってこそ本気の証!みたいな熱血主義に、少し距離を感じてしまうことがある。
            でも、「おおふり」においては勝ち試合も負け試合も、どちらも等しく大事な強くなるためのプロセス。大切なのは、負けを悔しがることそのものではなくて、負けから何を学ぶのか、なのだ。
            どんなときも、彼らは成長することを楽しんでいる。

            この試合では、三橋のフォーム改造のほかに、田島と花井の4番争いも見どころ。
            現時点での打撃センスは圧倒的に田島がうえ。それでもモモカンは、ふたりの特性を最大に引き出すため、花井を4番打者に育てる覚悟を決める。ところが、その決断を察知して、めずらしく田島の鋼のメンタルにゆらぎが生じてしまう。
            つねづね田島くんの強心臓は羽生弓弦並みだな!と、思ってたけど、そこはやっぱり高校生。田島くんでも動揺することがあるんだ…!
            田島くんって、ある意味精神的支柱というか、「でも、田島がいる」って事実がチームの自信になっているところがあるので、田島くんと三橋が崩れただけでこんなに心もとない気持ちになるのかと、こっちまでハラハラしてしまった。

            チーム1の打者として覚悟が決まっている田島と、田島の二番手にあまんじて、いまいち自覚のない花井。
            このまま花井の覚悟が決まらなければ、田島が花井を「ライバル」だなんて認めるわけない…。ふたりが対等に切磋琢磨し合ってこそ、チームは強くなれるはず。
            花井、気がやさしいのもたいがいにしとけよ!!さっさと覚悟完了しろ!と、ひとり気を揉んでいたのですが、最後にきっちり主将らしいところ見せてくれました!
            いろんなひとの想いに感化され、それを背負ってがんばろうと奮起できる。この感受性の豊かさと器の大きさこそが、花井の武器。田島のような鋭さはないけど、きっといろんなものをのみこんで花井なりの「強さ」を見つけられるはず。
            打ちぬくような田島の死線にたじろぎながらも、がっちり目と目をかみ合わせた花井がいつもよりちょっとたのもしく見えた。がんばれ、キャプテン!

            大会もひと段落したところで、次巻予告は…「たじまんち いくぞ――――っ」だと!?
            なんだそれ、私もいきたい!!!
            野球をしている姿はもちろん、わいわいバカやってるだけの日常も大好きなので、めちゃくちゃ楽しみっ!
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              「スティーブズ」 1-2 うめ・松永肇一

              おっと、商品検索したら3巻出てるじゃないか。買ってこよう。

              詐欺まがいの弁舌で多くの人に夢を見せ、テクノロジーも一種のアートととらえて世界を一変させたスティーブ・ジョブズ。
              この林檎の魔法使いの傍らには、彼の錬金術を支えたもうひとりの「スティーブ」がいた。
              技術は0でも野心だけは誰にも負けない自信家・ジョブズと、コンピューターとドーナツがあればそれで幸せなくま男・ウォズニアック。いまはまだ、どこの馬の骨とも知れない若者たちの青春物語。

              ジョブズはとびきりの天才であると同時に、とびきりの変人。
              だからこそ没後、彼の生きざまに関するさまざまな書物が刊行されたわけですが、この「スティーブズ」では彼の人生のなかでもとびきり刺激的なシリコンバレー戦国時代にスポットをあてている。
              なかでも、ジョブズとゲイツの対決は少年漫画顔負けのアツさ!
              かたや実の父の顔も知らないもらいっ子。かたや「ゲイツ三世」なんて仰々しい名を持つ名士の子息。まったく異なる出自を持つふたりの青年は、同じ年、同じ国に生まれ、運命的な出会いを果たし、ともに世界に名だたる大企業を作り上げていった。
              アーティストであるジョブズと技術屋のゲイツは、互いに信念を譲らず火花を散らしつづけたが、一方で、唯一の好敵手として認め合ってもいた。こんなに痛快なライバル関係、読んでいるこちらも燃えないわけにはいかない。

              ジョブズが主人公の漫画なだけに、ジョブズはヒーローらしく、ゲイツはちょっと腹黒そうに描かれているところも、けれんみたっぷりで楽しい。
              私がこのふたりに興味を持ったのは、高田ゆうきさんの同人誌がきっかけ。高田さんは筋金入りのゲイツファンにして、熱心なアップルユーザーなので、ゲイツのことをものすごい仕事好きのフェアリー(笑)みたいに描いていて、キャラ解釈には作者の好みが反映されるもんだなあ、とおもしろかった。

              そ対決するといっても戦場はあくまでビジネスの場。なので彼らは、武器ではなく「言葉」。
              重要なセリフには、まるで戦闘シーンのようなエフェクトや演出が加えられていて、彼らの言葉が持つ「威力」や「影響力」が視覚でも伝わるようになっている。これぞ漫画ならではの表現ですね。
              事実、ジョブズは言葉の力だけで、コンピューター業界どころか、世界そのものをぬりかえてしまったのだ。

              やがてジョブズもゲイツも一国一城の主となり、さまざまな人生の困難と直面することとなるのだが、彼らはまだそのことを知らない。なにも恐れず、なににもとらわれず、あらゆるものを巻き込みながら夢だけを追いかけていく。
              「誰にも負けたくない」という野心と「まだ誰も知らない世界を見たい」という希望を宿して輝く若者たちの瞳は眩しくて、なぜか少しだけせつない。
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                「進撃の巨人」 18 諌山創

                鬼教官シャーディスの回想編。
                進撃に登場するおっさんたちの人間味は異常。
                どんなに地位ある立派な人間にも、黒歴史のひとつやふたつはある。
                ただひたすら清廉潔白に、大義のもとに生きるなんてことはできない。叶えられなかった願い、届かなかった夢。そういう誰もが知る挫折や断念に突き動かされて、彼らは戦っている。
                そしてそれは、あの大義のかたまりのごときエルヴィンですら。

                エレンの父が遺したという地下室の秘密を探るべく、調査兵団はふたたび壁の外へ。
                第72話「奪還作戦の夜」のエルヴィンとリヴァイの対話は、たまりませんでしたね…!
                命の危険を顧みず陣頭指揮をとろうとするエルヴィンと、以前のように身体を動かせない人間なんてお荷物でしかないと断言するリヴァイ。つねに「団長」であろうとするエルヴィンから、私人としての言葉を引き出せるのは兵長だけだろう。
                リヴァイって目的のためには無慈悲な選択もできるけど、あえて掲げる大義を持たない分だけ情に厚い。こいつには敵わないなっていわんばかりの団長の苦笑だけで、いくらでも妄想が広がる。いったいどんな記憶が、彼の脳裏をよぎったんだろうか。

                そして、どうしたってリヴァイには「エルヴィンを信じる」って選択肢しかないんだ。
                この夜の問いすら、エルヴィンを試すためというより、重要な戦いをまえに自分の信じるべきものを確かめておくための儀式だったような気がする。リヴァイが心臓をささげてるのは、目に見えない理想に対してじゃなくて、数少ない信頼できる人間のためなんだろうと思うから。
                ふたりの絆って、他人には立ち入れないものがあるよなあ。

                夢を語るエレンたち幼なじみと、死地への旅を覚悟している大人組みとの対比になんともいえない気持ちになる…。
                エレンたちは希望に向かって突き進むしかないけど、大人たちには背負うものも守るものもある。そのために身を挺することにことになりそうで、ほんと嫌な予感しかしない。泣
                つねにあらゆる可能性を考慮する合理主義者のエルヴィン。目的遂行への最短距離を突き進む現実主義者のリヴァイ。好奇心にあふれて楽天的な理想主義者のハンジ。モチベーションの異なる三人がいてこその調査兵団だと思うし、なによりもう私自身が彼らを大好きだから、なんとか生きのびてほしい。
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                  「よつばと!」 13 あずまきよひこ

                  じつに二年半ぶりの「よつばと!」新刊。首を長くして待っておりました。
                  つねに読みたいものが山積みの状態なので、二年半なんてたいしたことないといえばそのとおりなのですが、それでも「よつばと!」はとっておきの一冊。
                  なんせ、私がいまいちばん結婚したい男性はここにいるのだから…!

                  小岩井とーちゃんさん。思えば、出会ったころから、あなたは「よつばちゃんのお父さん」でした。
                  私が知りえるのは、あくまでよつばの保護者であるあなただけ。よつばのとーちゃんになる前の、いち個人としての「小岩井何某」に出会えるチャンスは、もはやない。
                  もっとはやく、ただひとりの男と女として出会えていたら…ううん、私が惹かれたのはとーちゃんが「とーちゃん」だったから。よつばちゃんのとーちゃんじゃないとーちゃんならきっとこんなに好きにならなかった…。なーんて、とーちゃんがゲシュタルト崩壊した乙女妄想に耽ったりしていたのですが、もはやこれも過去の話。
                  とーちゃんの「下の名前」、ゲットしたぜ〜〜〜!

                  13巻ではついによつばがかつていっしょに暮らしていた、ばーちゃんこととーちゃんのお母さんが登場。
                  これがまた、予想を裏切る粋でかっこいいおばあちゃんでびっくり。愛想のいいタイプの人ではないけれど、よつばのことはしっかり見ているし、男所帯で手の行き届かない小岩井家を怒涛の勢いで掃除していくところなんて、いかにも肝っ玉母さんって感じ。
                  お母さんがこれだけできる人だと、プレッシャー感じるわ…。
                  でも、お母さんのおかげで、とーちゃんが「葉介」さんだってわかったんだもの!「葉介」さんが見つけた幸運だから、よつばちゃんなのね。これもきっと何かのめぐりあわせ!

                  永遠に「よつばちゃんのお父さん」を踏み越えることはないと思ってたのに、とーちゃんじゃないとーちゃんを知ってしまった。まるでいつも通学列車の同じ車両で見かける、意中の彼の名前を知った時のように(まるで実体験のように書きましたが、少女漫画で読んだだけです)トキメキがノンストップ…!
                  葉介さん、パンも焼きおにぎりも作れないし、掃除も嫌いな嫁でよければ、ここにひとりあまってますよ!!
                  ん?それじゃよつばと何も変わらないというか、かわいさという武器がない分、粗大ごみに近い?
                  …まずはオタ部屋の整理整頓からってことで、出直してきます。

                  それにしても、とーちゃんの身内が登場するなんて思ってもみなかった。
                  よつばととーちゃんの暮らしは、ごくありふれた何でもない一日として描かれているけれど、ふたりの関係性そのものはとてもイレギュラーでファンタジーなもの。血のつながった家族を登場させることで、緻密に守られた世界がこわれてしまわないか心配したけれど、まったく杞憂でした。
                  マイペースでありながら一本芯のとおったばーちゃんはほんとうに魅力的で、さすがこの親にしてこの子ありだな、と。
                  「よつばと!」に登場する大人たちはみんな、常識をふりかざすことなく自分の目でみたものを信じられる人ですよね。

                  小岩井家とお隣さんの往復だけで完結していたよつばの小さな世界も、これからどんどん広がっていくんだろうなあ。
                  はじめはお土産お土産とだだをこねていたよつばが、いざばーちゃんが帰るころには「お土産なんかなくていい」としくしく泣くところに、きゅーんときてしまった。それでいざ姿が見えなくなってしまえばあっけらかんとしてるんだから、これもまた子どもらしい。笑
                  ばーちゃんが帰って「いつもどおり」に戻っただけのはずなのに、なんとなく慣れないふたりの様子がまたいいな。
                  よつばはさっそく、ばーちゃんからもらった玄関掃除にはげんでいる。とーちゃんはばーちゃんに洗ってもらってたぶん、たちまちシンクに溜まる洗いものがめんどくさすぎて台所でふて寝。
                  「さみしい」なんて言葉はない。でも、いつもと少しちがう小岩井家の日常に、ふたりの心の中にいるばーちゃんを見た気がした。
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                    「南国トムソーヤ」 1-3 うめ

                    家族の元を離れ、ひとり東京から沖縄の離島に転校した千晴。
                    都会とは異なるペースで流れる時間に戸惑っていた千晴だったが、マンタに乗って現れたふしぎな少年・竜胆や、神の声を聴く神司の血をひく勝気な少女・ナミと出会い、島の謎を探る冒険がはじまる。

                    いやあ、私はこういう「少年たちのひと夏の冒険」みたいな話が昔っから大好きでねえ!
                    生まれながらの野生児である竜胆と、都会っこで理屈っぽい千晴。
                    ふつうに学校で机を並べているだけじゃ通じ合わなかったはずのふたりが、かつて竜胆の祖父が見たという翼竜の化石探しを通じて、かけがえないソウルメイトになっていく。しかも、このふたりには前世からつづく因縁まであるのだ…運命としかいいようのない邂逅に血がたぎります。
                    千晴の眼には、夏のはじまりと終わりで世界がまったくちがって見えていたことだろう。
                    これぞ、夏物語の魅力。

                    島に来た当初、翼竜の化石なんて日本にあるわけないと言い切っていた千晴に、担任の朝倉先生が贈った「好奇心の壁」という言葉。これにはすごく、はっとさせられた。
                    インターネットは便利だけど、そこに書かれている情報はすでに「誰かが調べたもの」でしかない。ひとの好奇心を突き詰めていけば、いつか誰も見たことのない世界へとたどり着くはず。
                    その壁を超えるか超えないかは、それぞれの心が決めること。

                    どんな冒険にも終わりがあるように、物語の最後、千晴は東京へと帰っていく。
                    千晴はもう、手元の端末で調べた情報だけで満足することはないだろう。
                    あの夏、竜胆とともに「好奇心の壁」の向こうへたどり着いた記憶は、島を離れても色あせたりはしないから。
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                      「Sunny」 6 松本大洋

                      IKKI休刊の報せが届いたときはいったいどうなることかと心配したけど、無事完結してよかった。

                      家族を亡くしたり、事情があっていっしょに暮らせなかったりして、星の子学園という児童養護施設で暮らす子供たちの物語。
                      施設とはいっても、星の子はふつうの一軒家で家族経営しているので、どちらかというと大家族的な雰囲気がある。分け隔てなく愛情を注いでくれる先生がいて、面倒を見てくれる年長組みも、いっしょにごはんを食べる仲間がいる。
                      それでも「親に置いて行かれた」っていうさみしさは、胸のまんなかに巣食っていて、学校からの帰り道で、みんなが寝静まった布団の中で、家族連れでにぎわう遊園地で、自分が世界でひとりぼっちになったような気分にさせる。

                      家族といっしょに暮らしたい一心で柄にもない大胆な脱走計画をこしらえた静や、母を忘れまいとすがるようにニベアの匂いをかぎつづけるはるおを見ていると、子どもにとって「お母さん」っていうのは、ほんとうにかけがえのない存在なんだなって痛いほどわかる。
                      どんなやさしさも親切も、母のぬくもりの代わりにはならない。

                      そうした哀しみを底に湛えながらも、けしてこの漫画は「かわいそうな子どもたち」のお話ではない。
                      月末になると夕飯はコロッケ続きだし、赤ん坊がやかましくてろくに勉強もできないし、みんな集まればどこかでケンカがはじまる。星の子での暮しはけして恵まれたものではないかもしれない。
                      それでも、闇はより深く、色はいっそう鮮やかに。宮沢賢治の詩のようなぴんと張りつめた叙情性と弾けるイマジネーションにみなぎって、彼らの日々は光り輝いている。

                      四日市の施設へ移って、すっかり落ち着いてしまったはるおをさみしがった牧男さんの気持ちが、少しわかる気がする。
                      子どもたちは半分神様で、それからだんだん人になっていく。
                      それをさみしがるなんて身勝手なこととわかってはいても、あの破天荒なほどに自由だったはるおは、どこか浮世離れしたパワーにあふれていた。よく研がれたナイフか生まれたての子犬のように、触れがたいのに目が離せなかった。

                      「あのころ」たしかに感じていた、無限の宇宙の拡がり。なにが起こるかなんてわからない明日。
                      そんな全能感を思い出させてくれる眩しいジュブナイルだった。
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