「バターミルクドナーズ」 赤星ジェイク

すがすがしいくらいにばかばかしいエロ漫画。(褒め言葉)


健全な男子(の精子)を育成するための組織が関与し、運営している日本男子体育大学、通称「日玉」。この大学は読んで字のごとく、優れた男の身体を育む大人の学校である。毎年選抜される優秀生徒にはベストフグリストの称号が与えられ、研究対象の報酬として時価数千万ともいわれる金の大玉が授与されるのだ!


以上が、開始1ページ目で紹介される本作のあらすじ。
この「フグリスト」という単語だけで、「あ、アホになって読むべきなんだな」と、こちらも万全の心構えができるというもの。なんてわかりやすく、親切な導入部なんだ。

 

フグリストを目指して童貞を貫いてきた公成は、日玉浪人生の明のセックスを見て以来、性的なことへの興味が抑えられなくなる。興味本位のセックスで、すっかり公成に骨抜きにされてしまった明だが、公成にとって愛とセックスは別問題。金目的で不特定多数と関係を持っていたことを逆手に取られ、明は公成の肉体強化(という名のセフレ)に協力することになる。
受けだけどめちゃくちゃ男前な公成と、攻めだけど受けも難なくこなす明。左右固定だけど、ふたりのあいだには限りなくリバーシブルな空気があって、そこがいい。

明が昔の男にどろどろにされている現場を見せつけられ、臆するどころか、堂々と3Pに参加して寝とってしまう公成の男らしさたるや。

襲い受けを超える、NTL受けの登場や!

 

個人的には脇の、色黒柔道家フグリスト候補・飯田を翻弄する、初代フグリストの誘い受け・ミナミさんに萌えまくりでした。純情な若者を誘惑するいけないお兄さん、じつにたまりませんな。

 

あらゆる倫理がぶっとんだ世界で「ふぁ!?」となることもしばしば。でも、つねに性癖全開で突っ走ってくところが赤星さんの漫画のおもしろさですよね。ドナーアイドルの射○会とか、一周して感心してしまったぜ…。

細かいことは考えず、ダイナミックな濡れ場を堪能すべし。

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    「花恋つらね」 1 夏目イサク

    待ってましたのイサクさんの新シリーズは、歌舞伎BL。

     

    梨園を背負って立つ若手立役者・新井源介こと、野田淳平。イケメンと評判の若手女形・松川惣五郎こと、東周吾。同じ高校の芸能コースに通うふたりは、歌舞伎の名門の御曹司同士。

    同世代のなかでも頭ひとつ抜けた存在である源介に、惣五郎は強いライバル意識を抱いているのだが、源介はそんなことにはお構いなしで惣五郎になついてくる。

     

    とにかく源介には負けたくない惣五郎と、まだ幼いころに「ひと目惚れ」した惣五郎の「いちばん」になりたい源介。

    心の底では認め合っていても、まだまだふたりとも未熟な半人前。役者として自分の足りないところばかりが見えてしまって、素直になれない若さがもどかしくもかわいらしい。
    何よりふたりはこの先、何年、何十年もともに舞台で競い合う同志でもあるのだ。どれだけ意地を張っていても、源介といっしょに芝居をするのが惣五郎は楽しくてたまらなくなっていく。

     

    イサクさんは、ほんと惣五郎みたいな意地っ張り受けを描くのがうまいな〜。
    表面ではお高くとまってたくせに、ちょっと褒められただけで相手を信用してコロっといってしまう。この単純さ、愛さずにはいられない。笑
    惣五郎はきっと、家中みんなから可愛がられて育ったんだろうなぁ。だから、うまくいかないと自分を責めて凹んでしまうし、相手が喜んでくれれば、それだけでむくむく自信を取り戻すことができる。
    ライバルとはいっても、源介も惣五郎もとても心根が健やかで、相手に対してまっすぐ。脚を引っ張ってやろうとか、恥をかかせてやろうなんてこと、これっぽっちも思っていない。だから、見ているこちらも応援してあげたくなる。

    やっぱりイサクさんのライバルBLは素晴らしい!


    ふだんはまったく観る機会のない伝統芸能の世界だけど、漫画や小説にはたびたび描かれている題材。

    これを機に歌舞伎そのものにもちょっとふれてみたいなあ。「三人吉三」おもしろそうだったし。

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      「お前なんかいらないよ」 立野真琴

      恋愛は「楽しく」が信条のフラワーコーディネータ・晴樹。

      美貌を武器に、男女問わずあとくされのない関係をこなしてきた晴樹だったが、ただひとり、苦い別れを経験した相手がいた。
      恋人からの紹介でブライダルのコーディネートを請け負うこととなった晴樹は、その忘れられない相手・祥平と再会する。いまは互いに社会人同士、過去は忘れたふりをする晴樹だったが、祥平に婚約者がいると知り、かつての古傷がうずきはじめる。

       

      作者もあとがきで書いているとおり、ドロドロ三角関係BL。晴樹はいま流行りの「クズ受け」のはずだけど…トレンド感より古き良き昼ドラテイストが漂う。笑
      しかし、こういうベタなものを描いたときほど、ベテランの技が際立つ気がしますね。


      かつての恋人との再会→凌辱→痴情のもつれ→刃傷沙汰→病院で危篤状態と、お約束のシチュエーションをしっかり網羅しつつ、波乱万丈の末、最後はきっちり「愛はすべてを救う」なハッピーエンドで落とす。

      昼ドラのツボを完璧におさえたストーリーはのどごし抜群で、内容はドロドロであるにも関わらず、夏に食べる素麺みたいにすいすい読み進めることができました。


      数多の作品を世に送り出しながらまったく緩むことのない、これぞ大ベテランというべき仕事っぷり。

      画業30周年を迎えた作者の、職業作家としての到達点をかみしめる一冊。

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        「カラーレシピ」 1 はらだ

        技術はたしかだが無愛想で喧嘩っ早く、指名がつかないスタイリストの笑吉。ビラ配りの最中に暴言を吐いてきたムカつくイケメンを殴り倒したら、なんと相手は同じ店で働くことになる1個年上のスタイリスト・福介だった。
        腕より口のうまさで指名を集める福介は、生真面目な笑吉とは水と油。そのうえ、酔った福介の変態行為に付き合わされそうになり、笑吉のイライラは最高潮に。

        そんななか、笑吉の身の回りでは気味の悪いストーカー行為が頻発するようになる。数少ない常連客・鬼原から笑吉がアプローチを受けていたことを知った福介は、笑吉に気をつけろと忠告するが、嫌がらせはエスカレートしていく。


        ツンツンしてても根は素直な笑吉と、笑顔の裏で腹に一物抱えていそうな福介。

        水と油ということは、互いの長所で短所を補い合えるいいライバルでもあるわけだけど、はらださんの漫画なんだからどんなトラップが隠されているかわからない。

        意地悪かと思えば、やさしい言葉をささやく福介の本心がまったく読めなくて、笑吉といっしょに翻弄されっぱなし。
        この笑顔に騙されないぞ〜〜〜〜!!!と心して読んだにも関わらず、福介の飴と鞭と鬼原さんのキモチワルさがじつに巧妙で、まんまと手玉にとられてしまった。

        くそー、またしてもはらださんの思うツボだわ!

         

        本筋とは直接関係することのない、美容院の雑務やスタイリング技術についても、しっかり調べたうえで描かれているのがまた、ポイント高い。技術職でありながらサービス業である美容師さんたちの苦労がしのばれて、お仕事漫画としてもじゅうぶん楽しめます。

         

        一見、笑吉が罠に絡めとられたかのようだけど、不思議と後味は悪くないのは、笑吉がそう簡単には壊れそうもないからだろう。

        福介がこれほど笑吉に執着するのは、どうしたって笑吉が自分のものにはならないことを知っているからこそ。どれだけ他人に非情になろうがきっと、福介は笑吉が笑吉でなくなるようなことはできないんじゃないかと思うんだけど…その辺は第2巻いこうご期待!か。

         

        エピローグの掌編「鬼原さん」がまた、孤独な男に手向けられた一輪の花のようにすばらしい。

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          「ヤリチン☆ビッチ部」 1 おげれつたなか

          pixivで人気の、おバカでエロくて意外と純情な、新感覚男子校BLがコミックス化。
          WEBからたのしく読んでいたので、「このタイトルのまま本にはできないよね…!?」と思ってたら、そのまま本になっちゃいましたね。笑

           

          父の転勤で山奥の男子校・モリモーリ学園(なんつーネーミングセンスだ)に転校することとなった高校一年生の遠野。楽そうだからと入部を決めた写真部は、じつは「活動内容はセッ○ス」という無法地帯の通称「ヤリチン・ビッチ部」だった!?
          キャラの濃すぎる先輩たちに「一か月以内にセックスしないと輪○」を言い渡され、童貞の遠野は顔面蒼白。いっしょに入部した加島(童貞)と助け合い、貞操の危機を乗り越えるべく奮闘する。


          男子校・狙われる新入生・危険な先輩たち…というと、私のような年季の入った腐女子はつい、「禁断のギムナジウム」的なイメージを連想してしまうんですが、この漫画にそういう耽美な雰囲気は一切なし!

          いまどきのチャラくてイケてるDKが、元気ハツラツで性欲を発散させています。
          かといって、アホエロ一辺倒なのかといえば、そういうわけでもない。ヤリ部の先輩たちはみんな、貞操観念が壊れた人ばかりだけど、恋愛に関しては不器用で純情とすらいえる。

          「犯すぞ」が口癖なのに、気になる子の前では意地悪ばかり云ってしまう田村先輩や、ほんとうは恋人の明美部長以外とはしたくなさそうな糸目先輩。百合くんはふだんはあきらかにネジが一本外れちゃっているだけに、ふいに見せるまともな表情にドキっとさせられる。

          たなかさんの漫画はいつも、身体のゆるさと内面の純情さのさじ加減が絶妙だ。

          ヤることは同じでも、切なかったり、いちゃラブ全開だったり、かなしかったり。ハッピーエンドのご褒美だけじゃなく、いろんなエロがつまってるから胸やけしないんだろうな。

           

          また、主人公である遠野はいたってまっとうなピュア・ボーイなので(ちょっと人見知りなツッコミ気質)、先輩たちが半裸でバイブを振り回す中、新入生たちはこっちが気恥ずかしくなるくらい、初心で純情な三角関係を繰り広げているじゃありませんか!

          私はこの一年生組も大好きなんですよね〜〜〜!!

          天然イケメンな加島がほんとたまらない…!真正面から遠野に気持ちをぶつけていくひたむきさに、こっちまで胸が高鳴ります。やっぱり、短髪黒髪攻めはジャスティス!

           

          天使みたいに笑顔のかわいいクラスメイト・矢口に、遠野はアイドルへの憧のような好意を寄せている。

          しかし、どうやら矢口は、いとこの加島に特別な感情を抱いているらしい。そんななか、加島は輪○回避の言い訳として、先輩たちの前で「遠野と付き合ってます」宣言したうえ遠野キスを。

          鈍感すぎる遠野は加島の想いにちっとも気づく気配がないし、いっぽうの矢口ちゃんもただの天使ではなさそう。

          入り乱れるやじるしの行方から目が離せない!

           

          私自身、初見では露骨すぎるタイトルに軽く引いていたんですが(笑)、読んでみれば意外や意外、まっとうな青春BLじゃありませんか。これだけぶっとんだキャラクターが揃っているにも関わらず、学園ものならではの「ユートピア感」もきちんと備わっている。

          斬新であると同時に、王道。ついに学園BLのニューウェーブが登場したな、と感じます。

           

          第一印象でスルーしてしまってはもったいない。

          キラキラもエロエロも同時に摂取できる、めくるめく青春の味をご賞味あれ。

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            「BLT」 吉田ゆうこ

            ファンを笑顔にしたい、みんなに夢を与えたい、もっとたくさんのひとから愛されたい。
            ただ見捨てられたくない一心で、大人に身体を売ったアイドルグループ「BLT」の一員・浩輔。

            こんなこと、なんてことない。そう思っていたはずなのに、いつまでも純粋なままアイドルでありつづけるメンバー・みさきの笑顔に、苛立ちが抑えられなくなっていく。

             

            アイドル戦国時代ともいえるオタク業界の傾向を受けて、BL界でもアイドルものや芸能ものが増えましたね。

            イケメン百花繚乱の明るくハッピーなものもいいですが、この「BLT」はスポットライトの陰を描く、じつに吉田さんらしい業界残酷物語。純粋だった子どもらが、夢を叶えるために自分の身を犠牲にしていく姿がなんとも痛ましい。

            しかし、欲望と欺瞞に満ちた泥のなかだからこそ、無垢な輝きはいっそう際立つ。

            浩輔が傷つくほどにみさきがアイドルとして研ぎ澄まされていくのが、皮肉でうつくしい。

             

            ふたりの出した結論は、身勝手で、プロとしてはゆるされないものかもしれない。それでもほんとうはみさきがいうとおり、「アイドルで一番になる」のと同じくらい、「ふつうの人としてしあわせ」になるのは大変なことなんだろう。

            だとしたら、自分の理想のためじゃなく、誰よりも大切にしたい人のために人生を選ぶのも、全然ありだよね。

             

            見たこともない「愛」や「夢」を唄いながら、「みんな」のものでありつづけるってことは、やはり心のどこかがずっと孤独なのかもしれない。誰かに愛されたい一心で、自分の幸せを見失った浩輔だけど、今度はたったひとりを愛することで幸せになれたらいい。

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              「おやすみのキスはしないで」 市村奈央

              これまで攻めに事後の世話を焼いてもらう受けは何度も読んできたけれど、受けに後始末してもらう攻めははじめてだよ…!斬新!

              市村さんの書くキャラは、受けも攻めもとにかくかわいい。
              この本の受け・わかばもとってもかわいかった〜!魔性なんてなまやさしいものじゃありません。セックスで攻めの精気を吸って生きる正真正銘の「淫魔」。
              だけど、当のわかばはそういう己のあさましさを嫌悪していて、妹が不眠症のわかばのために雇った添い寝屋の大学生・諒介に、自分を「拘束してほしい」と持ちかける。

              無邪気で好奇心旺盛なふだんのわかばと、淫魔の本性をみせたときのなまめかしさのギャップにノックアウトされてしまった。淫魔だけにちっとも受け身なんかじゃなく、自分からぐいぐい迫っていく襲いっぷりもすばらしい。
              その精力たるや、攻めの諒介のほうが先に搾り取られて、わかばに後始末されてしまうほど。
              面倒をみられて決まりの悪そうな諒介がまたかわいいんだ。

              いくらでもエロコメにできるネタを仕込みながらも、ふたりとも根は純情で、そして恋に真面目。
              わかばは淫魔くせにチャームで誰かを誘惑することをよしとせず、諒介はわかばのチャームに惑わされているんじゃないことを証明するために、ひとつ布団のなかで必死で手を出さないように我慢する。
              ただ気持ちいいことに流されてしまうのではなく、いっしょに幸せになろうと努力する。
              こういう不器用な健気さが、とってもかわいい。
               

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                「ケンジとシロさん」 1 大沢家政婦協会

                通販したと思ったらポチりそこねてて、慌てて再販をゲットしたご本家による「きのう何食べた?」同人誌の感想です。
                委託先の通販サイトどころか、コミックナタリーでも記事が出されていたくらいなので、出版社側もお目こぼし案件なのか?とは思うんだけど、この作品をBLとして読んでいらっしゃらない方もいると思うので。

                念のため、感想は折りたたみ。
                 

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                  「しあわせのはなし」 歩田川和果

                  「ねくたいや」スピンオフの長男編。

                  ネクタイ屋の跡取りである佳久と、彼に人生の五分の四片想いしている幼なじみの環。高校生のときにはじめて佳久に告白して以来、3回告白して3回フラれながらも、環はずっと佳久に恋したまま。それでも、かつて佳久を手ひどく傷つけた後悔から、あと一歩が踏み出せずにいる。

                  いやー、相変わらず面倒な男たちが自分ルールに縛られて、面倒な恋してる話なんですが。
                  佳久も環も、惚れたはれたに周囲まで巻き込んで、何年もすったもんだしてるろくでもない大人たち。それでも好きだというなら、個人の責任の範疇でやってくれという考え方なので、ふたりが互いに傷つけあってる分には、いいぞもっとやれ、という気持ち。
                  それなのに今回モヤモヤしてしまったのは、もっともらしくそこに口を挟んでくる外野の存在。

                  佳久の弟たちは、環が佳久の気持ちをないがしろにしたんだから、佳久が逆上したのはもっともだと言わんばかりの口ぶり。
                  でも、佳久だっていい大人だろ…痴情のもつれに刃物を持ち出すなんて正当化されていいはずがない。
                  息子同然の環に男が好きでもかまわないと伝えた口で、店を守るため、外に妾をつくれといわんばかりの老テーラーもなんだか不気味。もっともそうに話しているけど、女を産む機械と思っているといわれても仕方ない言い分だ。
                  ほんとうに家の事情も環の佳久への想いもすべて受け入れてくれる女性がいたとして、生まれてきた子どもは「環の子ども」ということにはならないはず。なにより、その女性自身の子どもでもあるのだから。

                  本人たちはまったく悪意なく、あくまで「愛」ゆえの言葉だからこそよけいに厄介だ。
                  なんというか、みんながみんな、情が濃すぎるんだよな。
                  自分が愛するものを守るためなら、誰かが傷つけることもいとわない。歩田川さんの描く恋は、いつだってそういうエゴとエゴのぶつかり合いだな。
                  純粋すぎるまっすぐな愛情に、ときに私はひるんでしまう。

                  でも、周りがなんといったところで、自分をしあわせにしてやれるのは自分しかいない。結局のところ、自分の気持ちに素直でいることが、しあわせへのいちばんの近道かもしれない。

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                    「ブルースカイ コンプレックス」 2 市川けい

                    いやー、待ったかいがあった!

                    おバカでやんちゃなどこにでもいる男子高校生たちの恋を、とびきりかわいく描いてくれる市川けいさん。
                    どの本も大好きなんですが、図書係りを言いつけられた優等生の楢崎と「不良」の寺島の交流を描いた「ブルースカイコンプレックス」は、すこしずつ近づいていくふたりの距離にときめかずにはいられない一冊。
                    「相容れなさそう」と思っていた寺島の意外に人懐こい一面を知るたび、野良猫になつかれたようなうれしさを感じるようになっていく楢崎。「同性」に恋する戸惑いと、誰かを好きになる昂揚感。複雑に揺れ動く気持ちが、四季折々の空のもとであざやかに描かれている。ふたりとも感情が面に出るタイプじゃない分、いっしょにいても飄々として見えるんだけど、ひとりになると我に返ってジタバタしてる姿ににんまりしてしまう。
                    頭からしっぽまでかわいい大満足の一冊だったのだけど…唯一の無念は、楢崎が理性的すぎて未遂だったこと。
                    「家族の気配があるところでしたくない」って、いたって当然の言い分のはずなのに、どこでもサカる攻めが多すぎるおかげで、「楢崎おまえ、やるまえから賢者モードって、ほんとうにDKか!?」と心配になった。
                    寺島はいつでもばっちこい状態だというのに!寺島と私のヤル気はどこへいけばいい!?

                    そんな据え膳お預け組に朗報です。
                    「ブルースカイコンプレックス」2巻は、ふたりのお初を総力特集!若さ爆発のエロをばっちり堪能できます。

                    このふたりの楽しいところは、もともと自分の性志向に自覚的だった受けの寺島のほうが積極的なところ。
                    待ってるだけじゃなく自分からもぐいぐい攻めていくから、ちょっとリバーシブルっぽい(でもリバ描写はない)雰囲気がある。どちらかが一方的に組み伏せるのではなく、お互いがお互いを欲しがる対等さにわくわくしてしまう。

                    猿ガキまるだしな寺島に対して理性派の楢崎は、BLの攻め様らしく教卓に寺島を押し倒したり、家族が下にいるのに無理やり口をふさいでアレコレしたり、なんて暴挙には出てくれない。
                    自宅でキス以上のことはゆるしてくれないのに、いつでも遊びに来いなんて寺島を部屋に誘う。付き合ってるのにこれまでとなにも変わらない楢崎の態度に、寺島は「俺ばっかりが」と苛立つと同時に不安になっていく。

                    こうして1巻につづいてお預けをくらい、寺島が煮詰まってたところでついにチャンス到来。
                    家族が旅行へいくから泊りに来てよと、楢崎に誘われた寺島。
                    楢崎お前、ムッツリすけべだっただけか…!
                    「これはもうやるよな!?やるしかないよな!?」って期待と不安でぱんぱんになってるはずなのに、表面上はいつもどおり「べつに」って顔をしてるふたりがかわいい。妙な緊張が伝わってきて、こっちまでドギマギしてしまう。
                    ベッドの上で正座して「よろしくお願いします」なんて手合せみたいな一礼からはじまって、スマホで手順をおさらいしたり、これまでの経験談に花が咲いたり。相手の経験談に嫉妬するより興奮するって、男らしくて笑ってしまった。
                    ちっともスマートじゃないけど、ひとつひとつからお互いを大切にしたいって気持ちが伝わってくる。

                    このふたりらしいやりとりにすっかりほほえましくなったところで、スゴいのはこの先。
                    ムッツリすけべの本領発揮である。いつもどおり冷静にコトを進めていく楢崎に、さすがこんなときでも予習に抜かりないな〜と感心していたけど、ふだんクールなタイプほどいちどたがが外れると大変なことになるフラグだったのか。
                    あれだけ積極的に迫ってた寺島が、はじめて知る快楽にぐずぐずになっていく姿は麻薬的なエロかわいさ…!そんな寺島に煽られて、楢崎もいつもの冷静さをかなぐり捨てて雄の顔をあらわにする。
                    いやあ、これぞギャップ萌え!!
                    こんなエロい寺島の泣き顔を見れるなんて…もう思い残すことはありません。

                    しかし、当事者のふたりにとってはそう簡単な話でもなく。
                    あれだけやりたがってた寺島は、楢崎が自分と同じ男だってことに怖気づく。一方の楢崎は、はじめて知る独占欲や支配欲をもてあます。ぼんやりしていた「気持ちいいこと」にリアルに触れたことで、自分のなかにある欲望と直面し、相手を想う気持ちを上回ってしまいそうなその衝動の強さに戸惑う。
                    若いですね〜〜〜青いですね〜〜〜。
                    ふたりともお互いが好きだからこそ、真剣に心と身体のバランスに悩んでいる。この切実さこそが青春だな…って胸がいっぱいになった。

                    お互いをひとつ知るたびに、うれしいことも、こわいことも増えていく。
                    知りたくなかったことを知ってしまったりもするけど、思いどおりにならないからこそおもしろい。ひとを好きになる素晴らしさを思い出させてくれるふたりだった。
                    はー、市川さんが描く男子高校生BLには青春がつまっていて、いつも読み終えるころにはお別れがさみしいぜ。他愛ないじゃれあいをずっと見ていたくなる。
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                      • それもまた愛のかたち〜「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」#46
                        Jun2
                      • 中野詣で
                        ひふみ
                      • 中野詣で
                        びーんじゃむ
                      • 三十路ぬるオタがぼっちで同人イベントへでかけてみたよ。
                        ひふみ
                      • 三十路ぬるオタがぼっちで同人イベントへでかけてみたよ。
                        Yu

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