「錆びた夜でも恋は囁く」 おげれつたなか

「エスケープジャーニー」がおもしろすぎて、急遽おげれつたなか祭開催。
はー、こっちもおもしろかった!

彼氏のカンちゃんからDVを受けているフリーターの弓は、バイト先で中学の同級生だった真山と再会する。中学時代と変わらず真面目で不器用な真山と会える日を楽しみにするようになる弓。しかし、そんな弓の姿に苛立つカンちゃんからの暴力は激しさを増し、弓の傷跡は絶えなくなっていく。

弓に暴力をふるうカンちゃんも決して根っからの悪人ではなくて、もともとは優しい恋人だったはず。
だからこそ、「いつかもとに戻れるはず」「やりたくてやってるわけじゃない」「こいつには自分がいなきゃ」ってお互いにあまやかしながら、依存し合っていってしまうんだろう。
カンちゃんだって弓を殴りながら、自分自身も傷つけている。弓はカンちゃんが追い詰められていることに気づきながら、自分の痛みにも異常な関係にも蓋をして、ぜんぶ見ないふりをしてしまう。誰かひとりが悪いんじゃなくて、それぞれに弱みや負い目を抱えた関係がなんともリアル。
傷つけ合うカンちゃんと弓が痛々しいぶん、真山のまっすぐさがまぶしくて、だからこそ、真山にたよっちゃいけないって思う弓の気持ちもよくわかって、いったいどうなってしまうの…!ってハラハラしっぱなしだった。

このお話は真山と弓のながい初恋の話であると同時に、弓とカンちゃんの青春の終わりの話でもある。
どんなに「好き」でもうまくいかないことはあって、真山と弓がやっと通じあえたことが愛なら、カンちゃんが弓を手放したことだってまた愛なのだろう。幸せと不幸せは正反対のもののように思えるけれど、どちらも同じ愛から生まれる表裏一体のものなんだろう。

本編がシリアスだったぶんまで、後日談はすっごくあまあま。この飴とムチのバランスがまたいい。
ヘタレたりがっついたり忙しい真山のDT攻めっぷりにハアハアしまくり。真面目で勉強熱心な真山のことだから、これからどんどん学んで弓を翻弄してってくれると期待してます。
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    「ラストフライディ」 絵津鼓

    父の代理で実家の花屋を手伝うことになった大学生の拓海は、お得意先のラウンジで粗相しそうになったところを、ボーイの欣也に助けられる。一見チャラいけど、根は親切な欣也に好感を持つ拓海。欣也もまた、彼女ができたときのためにデート貯金している!という歳不相応にピュアな拓海に興味を持つ。
    歳の差をこえて仲良くなったふたりだが、拓海が男の幼馴染みに失恋したことを、欣也に知られてしまい…。

    デビュー作では、女子を交えたひりつく三角関係で胸をえぐってくれた絵津鼓さん。
    BL2作目となるコミックスは、チャラめなラウンジボーイとドジな花屋のバイトくんが織り成すラブコメディ。

    いやぁもう、拓海くんがかわいいったら!本人はいたって真面目なんだけど、なにもかもがズレてておかしい。
    欣也とのデート練習でおしゃれカフェに入り、コーヒーの種類がわからずにエスプレッソを頼んでしまった拓海くんの苦闘っぷりには思わず吹き出してしまった。私も上京してすぐのころ、同じ失敗をしたことがあるから身につまされるよ〜。なんだこのちっさいコーヒーは!?って衝撃を受けたもん。
    たとえかっこつかなくても、一生懸命エスコートしようとする姿を見てしまえば、欣也だってほうってはおけない。ただおもしろいだけじゃない、拓海の人の好さや意外なほどの我慢強さから目が離せなくなっていく。

    拓海みたいにまっすぐ愛されて育った子にも、自己嫌悪で眠れない夜は訪れるし、かっこよくて誰とでもそつなく付き合える欣也にも手の届かない恋があった。
    どんな人にも悩みはある。当たり前のことなのに、世界で自分だけが不幸だって思えるような深い穴に落っこちてしまうことがある。
    この気持ちは誰にもわかってもらえないんじゃないか。自分だけがおかしいんじゃないか。
    心のどこかにそんな不安を抱えていたふたりの少年が、はじめて「ヘンじゃないよ」っていってくれる片割れと出会い、ゆっくり大人になっていく。
    相手のことを好きになるのと同じだけ、自分も好きなれる関係っていいもんだなあ。
    拓海がいろいろ天然すぎて、おーい、どこへいくんだ!?ってこっちが気を揉む場面もあったものの、どんなにかっこよくても中身はエロガキ(だって高校生だもん)な欣也のおかげで、BがLに収まった。よかったよかった。

    絵津鼓さんの漫画っていい意味でBLっぽくないというか、どちらかというと別マの少女漫画みたい。ほどよいリアリティがありつつ、キラキラした恋のときめきを感じさせてくれる。
    ちょっと影があって、甘え上手な欣也の彼氏力の高さには、悔しいながらも「きゃー!」ってなってしまった。
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      「キスも知らないくせに」 木下けい子

      む・ちゃ・く・ちゃ・かわいかった〜!
      キラっキラのボーイミーツボーイ。どんな濡れ場も真顔で読めるようになった私ですが、このふたりの初々しさには顔がにやけっぱなしでした。

      季節外れに転入してきた一歳年上のクラスメイト・綾瀬の世話係を頼まれた藤沢。
      いつも笑顔でクラスのマスコットみたいな藤沢だが、じつは周囲を気にする気遣い屋。無愛想で歯に衣着せぬ綾瀬との距離を測りかねて戸惑うが、だんだんとぶっきらぼうな優しさや自分しか知らない無邪気な笑顔を宝物みたいに思っている自分に気づく。
      クールで優しいヒーロー(攻)とちょっとドジだけどひたむきなヒロイン(受)の組み合わせは、ひと昔前の別マ少女漫画の王道ど真ん中。
      表情がくるくる変わる小動物みたいな藤沢のかわいさはもちろん、ずいぶん大人びてみえた綾瀬が、だんだんと歳相応に照れたり戸惑ったりする顔を見せはじめるところにすごくきゅんきゅんした…!
      ふだんはクールな彼が自分の前でだけは無防備な表情をみせてくれるって、永遠のときめきポイントですよね。

      タイトルどおり何も知らない同士で、なにもかもが未知の世界。
      期待するのと同じくらい不安で、変わっていくのが怖くて。ただ「知らない」ってだけのことが、こんなにも毎日を輝かせたり、真っ暗闇にしたりする。
      時が経てば「しょーもないことで悩んでたなあ」って笑い話になるとしても、このどうでもいいことで精一杯悩むってことこそが、青春時代に絶対やっておくべきことなんだっていまとなっては思える。ここで手を抜かずに「一生懸命」を経験をすることが、きっとこれからの彼らの人生を輝かせていくはず。
      どんなささいなことにも全力な純度100%の青春に、こっちまでパワーをわけてもらった。
       
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        「GAPS」 里つばめ

        有能で人当たりのいい王子様キャラの同僚である片桐が、夜の公園で容赦なくひとを殴ってる現場に居合わせてしまった長谷川。
        最近の若い奴ってどうなってんだよ!?とビビリあがる長谷川だったが、片桐は意外にも長谷川との距離を詰めてくる。

        まるでスイッチをオン・オフするみたいに、昼と夜で人格を切り替えられる片桐のキャラクターがおもしろすぎる。
        彼女の浮気を知って凹む長谷川に「デリ呼びましょうか?」って、そんななぐさめ方あるかー!笑
        片桐はたぶん、嘆いたり悲しんだり後悔したり、そういう負の感情をわざわざ自分に向けるプロセスにまったく意味を感じないんだろうな。自分は自分。それについて悔やんだり悩んだりしても仕方ない。その一点に関して突き抜けているので、昼間はいくらでも外面演じられるし、夜になれば腹が立てば殴る、興味本位で上司にも手を出す。

        理解のある上司であり、やさしい彼氏であり、自慢の息子である「あるべき自分」を演じつづけてきてた長谷川は、そんな片桐の生き方に揺さぶられるわけだ。
        気づけば37歳で独り身、しかもED。ずっと正しい道を進んできたはずなのに、気づけば袋小路に迷い込んでいる。ほんとうにこれでよかったのか…そんな風に立ち止まってもおかしくないタイミングで、片桐というバクダンが飛び込んできた。
        「尊敬してる」なんて自尊心をくすぐられながら、何を考えてるか読めない行動で振り回される。この押し引きのバランスが絶妙で、うまいこと長谷川のプライドをくすぐってくる。片桐、策士だな〜。
        ふたりの関係は恋というよりも、男同士の意地の張り合い。いったいいつ長谷川が「やめた!」っていうのか、嫌がる顔を楽しみにエスカレートした結果、抜き差しならないところまで踏み込んでいってしまう。

        慕われてうれしい反面、あきらかに「男として上」な片桐にコンプレックスも感じている長谷川の気持ちが萌えどころ。自分には絶対できないことを飄々とやってのける片桐に憧れる気持ちがあるからこそ、それを受け入れたくない。長年「ふつうに幸福な人生」を送るために生きてきた長谷川にとっては、凶行後の片桐の面倒を見るくらいが精一杯の逸脱なのだ。
        大人になればなるほど、恋はややこしくなっていく。勢いだけで火の中に飛び込むなんてことはできなくなる。

        どれだけ往生際悪く長谷川があがいたところで、「結局あんたは俺のこと全部好きなんですよ」なんて自信たっぷりにいってしまう片桐がいる以上、ハッピーエンドは約束されている。
        長谷川は長谷川のまま、末永く悪あがきし続けてほしい。
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          「ましたの腐男子くん」 2 黒岩チハヤ

          自分攻め妄想がとまらない筋金入りの腐男子・幹くんと、純情ウブなゲイの会社員・曽我部さん。
          幹くんが曽我部さんを腐男子仲間と誤解したのがきっかけではじまったお付き合いは、ついに実践編へ!

          曽我部さんがピュアすぎて1巻ではキスどまりだったふたりですが、いつまでもお手てつないで満足しているわけにもいかない。幹くんは堂々と曽我部さんに「挿れたい」宣言。おぬし…押し倒したもん勝ちのBL法則をよく心得ておるな。
          いっぽうの曽我部さんはといえば、ノンケの彼を引き込んだうしろめたさとノリノリな幹くんのギャップに、なかなか気持ちが追いつかない。見られたら恥ずかしいからと初体験に目隠しを用意したり、幹くんの腐男子友だちに嫉妬したりと、ひとりでからまわってしまう。

          とても楽しみにしていたふたりの初合体だったのに…なんだか胸がモヤモヤするのはどうしたことか。
          自分攻めのシチュエーションにすら妄想余裕!な幹くんの腐りっぷりが、この漫画のおもしろおかしいところ。でも、妄想が妄想たりえるのって、あくまで「傍観者」だからなんですよね。他人事だからこそ、軽率に萌えられる。
          1巻では「近所の受けっぽいリーマンに萌えてる腐男子」だったから笑いとばせた幹くんの軽率さが、いざ曽我部さんとリアルに恋人になった2巻では、なんとなく引っかかる。
          曽我部さんと恋愛してるというより、自分と曽我部さんで二次創作してるようにみえてしまって…。
          曽我部さんがどれほどかわいいリーマンだろうと、実際の彼は「受け」じゃない。
          恋人の浮き沈みより、攻め失格な己の耐久性に落ち込んでいる幹くんを見てると、幹くんあんた、BLじゃなくて「恋愛」してる自覚があるんだよな!?萌えのためだけじゃなく、ちゃんと曽我部さんのことみてあげてるか?と気を揉んでしまった。
          私だって腐女子なのに…!安心して萌えさせてくれよ!

          それでも波乱万丈の末、なんとかたどりついた初合体では幹くんの妄想が爆発。
          余計な知識つけてる分、幹くんのほうがよっぽど童貞っぽいな!
          このままアブノーマルに突き進んでしまうのでは…と期待したけど、どうやら曽我部さんのピュアネスが幹くんの妄想にうち勝った様子。
          かっこいい攻めになりたいのに、曽我部さんの初々しさにヘタレてしまう幹くんをみて、ちょっとほっとしました。
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            「愛の本能に従え!」 樋口美沙緒

            ムシシリーズ最新刊。
            思えばこのシリーズも、オメガバースの亜種といえるのかも。アルファメールとして社会を統べるハイクラス種の攻めがいて、か弱く儚いながらも特殊な能力を有するオメガ的な受けと恋に落ちる。
            種の繁栄と拮抗するように恋が描かれていくところにも、オメガバースと通じるものがある気がする。

            ナナフシを起源種とするため、ハイクラスでありながら影の薄い七安歩。
            わけあって家を追われた歩は、進学した学園の寮で憧れていたテニス・プレイヤーの村崎大和と同室になる。ひそかに心躍らせる歩だったが、オオムラサキの大和にはほかのオスがマーキングした個体に欲情する性質があり、寝とりゲームに巻き込まれた歩は無理やり大和に抱かれてしまう。

            ずっとムシシリーズは「攻めがクズ」シリーズと思っていました。(そこが萌えポイントでもある)
            ところが、大和はこれまでではいちばんまともな攻だった気が。がさつでちょっと無神経ながらもまっすぐで、オオムラサキの性質に抗おうとする大和。そして、とことん控えめで自己評価は低いけど、誰より心根のやさしい歩。
            度重なるすれ違いはあっても、お互いが失くしてしまった「欠片」を持つふたりが惹かれあうのは明白で、あまくせつない両片想いを堪能させてもらいました。やっぱり攻めも受けもいい人なBLは読んでいて癒されるな〜。

            しかし!それでも私は、途中まで不安な気持ちを拭い去れなかった。
            受けも攻めもいい人…いや、それだけで話が終わるわけがない!
            なぜなら、樋口さんは六青さんと同じく不憫受け萌えを得意とする作家さん。受けがかわいそうな目にあい、攻めが己の浅慮や無体を悔い改め、受けが報われるという「落として上げる」形式で萌えが発動するのが不憫萌えの特徴。
            攻めが直接受けに無体を働かない場合は、攻めの代わりに第三者が受けを陥れ、攻めが己の不覚を後悔するという可能性が高まります。つまり、攻めがクズでなかった場合、さらなるクズが登場するのです。
            これを私は「クズの質量保存の法則」と呼んでいます。
            つまり、大和がクズじゃない=さらなるクズが現れる可能性大。しかも大和には、執拗にちょっかいをかけてくる志波というやっかいな従兄がいる。
            これは歩が志波にNTRフラグでは!?と気が気ではなく、最後まで緊張感がとぎれることなく読了しました。笑

            起源種を元ネタにしたエロシチュと、主人公の生い立ちにまつわるシリアスなストーリー性の両方がしっかり盛り込まれているのがムシシリーズの魅力。あらすじだけ読んだ時点では、今度はNTRか!?とドキドキしてましたが、終わってみればめちゃくちゃピュアな初恋物語でした。
            つぎはスオウや麻耶先輩みたいな、強気受けのお話も読んでみたいな〜。ごちそうさまでした。
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              「パパ’s アサシン。〜ダニエルは飛んでゆく。〜」 SHOOWA

              長年の想い人である父・ダニエルに、ゲイであることがバレてしまった龍之介。自暴自棄で親子喧嘩なんてしてみたのもつかの間、突如牙を剥いてきたダニエルのかつての敵に追われ、ふたりは日本を発つことになる。

              ひとを殺めて飯を食っていたころのダニエルと、龍之介出生の秘密。
              ふたりが親子になるまでの物語が明らかになる第2巻。ラブは控えめだったものの、緊張感あふれるシリアス展開のなかにも度肝を抜くギャグをぶちこむSHOOWA節はますますキレを増していて、夢中で読了。

              数奇な運命が重なり合った末、なりゆきで龍之介を育てることになったダニエル。
              この過去編を読んで、血のつながらない息子を彼がこれほどまでに愛するのには、どこか贖罪の念があるのかもしれないと感じた。そして、それだけにいっそう、ダニエルは龍之介の想いに応えてはくれないだろう。
              いっぽうの龍之介といえば、危険と背中合わせの逃避行だろうと、誰も知らない街でダニエルとふたり「恋人のふり」をして過ごせるというだけで舞い上がってしまえる。
              どんなにいい息子でいようと思っても、手と手が触れ合っただけで、努力はすべて無駄になる。
              これまでずっと、ダニエルの代わりになるものを探し求めてきた龍之介だけど、怒涛の日々の中でとうとう、結局ダニエルしか好きになれない自分を受け入れたようですね。
               

              「あー俺の欠けちゃったトコ 多分もう欠けたまんまだ」


              この龍之介の台詞が、なんともせつない。

              ダニエルにとって龍之介はあくまでかわいい息子。その愛を裏切ることはできない。
              いっぽうで、父とわかっていながらダニエルを愛してしまう龍之介の想いだって、なかったことにはできない。
              変えることのできないダニエルへの想いと、変わらないダニエルからの愛。龍之介はその両方を胸に抱えて、ダニエルのそばにいつづけることを選んだ。
              愛することは、ただやさしくあまいばかりではなく、ときにひとを苦しめもする。
              愛するがゆえの苦しみを受け入れられるようになった龍之介はもはや、愛されたがるばかりの子どもではないのでしょう。

              龍の出生を思えば、このままふたりいっしょにいられるかどうかもあやしいものだけれど…「子どもだから」なんて言い訳で、それでも触れていたいと願う龍のせつない想いにパパが気づいてくれる日はくるのか。

              でも、いうてもこれはBL本。立派なヘンタイ親子になれる日まで、くじけるな龍之介!
              俺たちにエロいダニエルをみせてくれ!!
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                友だちに腐女子をカミングアウトすべきか?問題

                別宅の感想を更新するついでに、ひさびさにBL感想ブログをめぐってきました。
                このブログをはじめたころにお世話になっていたブログさんはほぼ残っていないor凍結状態なのですが、いまもおもしろい感想ブログさんがたくさんあるんだな〜とうれしくなりました。
                せいきへの修正について触れる記事が思いのほか多く、「時代だな…」と感じ入ったり。個人的には、描いてても描いてなくてもOK!妄想で補います!派なので、深く考えたことがなかったです。
                これおもしろそう、こっちも気になる!と思える記事がたくさんあって、わたしももっと読もう!そしてたまには感想書こう…と心をあらたにしました。最近ほんとうにBLの感想書いてないので…とほほ。

                歳が離れていたり、男性だったり、自分と視点の異なるひとの感想をよく読みます。
                主腐の方のブログを読むことも多いのですが、そうするとよく話題に上がるのが「家族に腐女子をカミングアウトするか?」問題。
                漫画好きはオープンでも、BL好きは秘密という方が多いようで、本をどこに隠すのか…PCの管理法は…など、ついつい興味津々で読んでしまいます。
                こちらの記事を読んで、旦那さん気づいてるのかもな〜と思わずにやり。
                明言しない旦那さんのやさしさにも、自分からはいいたくないというブログ主さんの恥じらいにも萌えます。腐女子萌え!

                この「あえて言わない」感じ、すごくよくわかります。
                私も基本的に自分からすすんでカミングアウトはしません。
                会社の後輩さんのなかにはオタクオープンな女の子もたくさんいて、誰とでもオタトークできるって楽しそうだなあとうらやましく眺めたりもしていたんですが、やっぱり私にはハードルが高い。オタクというより圧倒的に腐女子寄りで後ろめたいというのもあるんですが、こればかりは性格でしょうね。
                同好の士と語り合うのは大好きだけど、衆目に晒されるのには抵抗がある。この趣味について知りたいと思ってくれるならいくらでも伝えたいけど、興味のないひとにわざわざ教える必要もない、というスタンスです。

                なので、いまのところ私が腐ってることを知ってるのは、大学時代の友人たち(非オタク。私がBLにハマったのが大学時代だったため、有無を言わさず萌え話を聞かされてきた)と、同じくBL読みの会社の同僚くらい。
                うちの両親は「新聞の四コマもジャンプもエロも漫画はぜんぶ漫画」という前時代の人間だし、離れて暮らしているので、私の隠した趣味がバレるおそれは今後もなさそうなのです。

                そんななかで、唯一私が「バレてるかも…」と気がかりなのが、25年来の付き合いになる幼なじみ。
                幼稚園から高校までいっしょで、いまもいっしょにライブに通うとても仲のいい友だちです。
                正直、彼女に知られたところで困ることはないし、とがめられることもないはず。
                実際バレてるんだろうな…とも、うすうす感じています。
                震災の折、うちへ一週間ほど避難していたことがあり、本棚の「きのう何食べた」や「西洋骨董洋菓子店」を読んで「よしながふみって同性愛っぽいの描いてたんだね〜」みたいなこともいってたし(いちおうガチなBLはクローゼットへ隔離してました)、なにより尋常じゃない蔵書数をみるだけでオタクであることは一目瞭然。
                小学生のころには、いっしょに漫画も描いていた彼女のことです。間違いなく勘づいていることでしょう。

                でも、これまでなんとなく隠してきてしまったせいで、いまさら「じつは私腐女子なんだ〜」とは言いづらい!
                友だちも私の気まずさを察してか、わざわざつっこんではきません。
                「そのうちに…」と思ってるうちに、タイミングを逃してしまうパターン。
                これがBLなら、すれ違ってこじれるフラグです。我々が受けと攻めならすぐさま想いのすべてを言葉にすべきですが、ごくふつうの幼馴染みなので「ま、いっか」と見て見ぬふりに落ち着いています。

                そんなこんなで、いまだに私のBL好きは秘密のまま。
                もうお互い気づいてるけど、あえて言わない。そんな愛のかたちもある…。
                それでいいと思えるのは、私が彼女との関係を「いまのままでじゅうぶん」と思っているからでしょう。オタクを介さずとも楽しく過ごせる相手なので、私の趣味については知ってもらっても、もらわなくてもかまわない。

                もし、いつか彼女が「BLっておもしろいの?」と思う日がきたなら、全力でオススメをプレゼンしたいな〜。
                高校時代、ふたりでバンプに夢中になったときみたいに!
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                  「Axis power ヘタリア」 日丸屋秀和

                  ヘタリア読んで日が暮れて。
                  途中、買い物へでかけたり宅配便が届いたりしつつも、一日中読んでいたというのに、まだ読み終わらない!これほどのボリュームを無料で読めてしまうなんて、そりゃあ人気も出るはずだ。

                  いまさらながらすっかりはまっています、国擬人化コメディ。
                  おもな時代背景はWW1〜WW2のころの戦争まっただなかですが、堅苦しい話は一切なし!くすっと笑ってしまうようなおもしろエピソードばかり。どの国もキュート&チャーミングで、モニタのまえでによによしっぱなし。
                  こうなるとリアルタイムで読まなかったのが悔やまれるけど、何事にもタイミングがあるのでしかたない。
                  BL漫画ではありませんが、感想がアレすぎるのでBLカテゴリにしました。すみません。

                  なんといってもイタリア&ドイツがかわいすぎてつらい…!
                  戦う前に逃げ出してしまうヘタレなイタリアと、そんな困ったちゃんの尻拭いに奔走する苦労性な堅物ドイツ。このデコボコ親友コンビが、なんともチャーミングなのです。
                  傍から見ればどーみても両想いなのに、当事者たちだけは友情と信じてぐるぐるしてるなんて(妄想)。堅物マッチョな色男ドイツさんが、能天気なイタリアをつい「かわいい」と思ってしまい、困惑&葛藤しまくるなんて(妄想)。
                  独伊のおいしさはなんといっても、このドイツさんの我慢強さ。煩悶する朴念仁萌え!
                  男同士だから…友人だから…と理由をつけて、鉄の意志で自制しようとしているにもかかわらず、ふとした瞬間に「かわいい」「触りたい」と思ってしまっては、そんなことあるかあぁぁ!!!と人知れずジタバタしてるドイツさんに、とてつもない男の色気を感じます。
                  あくまで「友人同士」であるがゆえに、ラブラブななかにもひと匙のせつなさが効いている。そこがなんともいえず、初恋風味でイイ…!体格差もたまらないし、ドイツに嫌われた…って不安になって泣いちゃうイタちゃんかわいすぎるし、そんなイタちゃんがかわいくてたまらずそわそわしてしまうドイツさんもかわいいしで、かわいいの乗算がとまらない。

                  とかなんとかいっても、ぜんぶお前の妄想だろうが!とお思いでしょうが、そんなことありません!現実です!!
                  ハグキスはあたりまえ!
                  ふつーに同じ布団で寝てるよ!(イタちゃんは裸だよ!!!)
                  ドイツはイタリアに自分のペンダントをプレゼントしてるし!!(所有の証だね!)
                  挙句の果てにはプロポーズまでしてるらしいですからね…!(このへん未読!はよ、はよ読みたい)
                  極めつけには、ふたりは遠い昔の初恋の相手という超超超美味しい再会愛設定まであり。
                  ピュアっピュアなちみっこたちのファーストキスにハートうを撃ちぬかれ、不覚にもPC前で泣きました…。パンツ漫画なのに…独伊は冗談抜きに公式が最大手。

                  ほかにもかわいいCPもといかわいいキャラが満載なのですが、連合側に関しては、自分のなかで正解の組み合わせが見出せず。
                  島国CPもかじってみた結果、私の好みは英国右かなってとこまでははっきりしたものの、左が決められなかった。因縁の塊な仏もいいし、けんか別れした米国もいい。これは迷う…!
                  どうせならどっちも楽しめればいいんだけど、CP固定派なので左右きっちり定まらないと萌えに発展しないんですよね。じっくり考えよう。

                  友人にアニメもすすめてもらったので、夏はヘタリアみよっかな。
                  春アニメ終了でおセンチ気分だったけど、萌えてきたぜ〜〜〜〜!!!
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                    「東京純情コンバース」上・下 佐野裕貴

                    96年に鳩村さんが別名義で出したデビュー作が復刊。
                    うわさには聞きながらも、読む機会はないだろうと思っていたので、よろこび勇んで買ってきた。

                    生徒会役員としてそつなく過ごしながらも、子どもっぽいクラスメイトたちとは一線を引いている葛生巧馬。
                    ある日の朝礼で倒れかけたところを、札つきのワル(という仰々しい肩書からして、時代を感じますね)という噂の内水主税に助けられて以来、巧馬は主税の履いていた黒のコンバースが忘れられない。
                    優等生と不良。学校での立ち位置は正反対でも、子どもと大人のあいだで、内面にはそれぞれに同じような葛藤や焦燥を抱えていた。価値観のちがいに反発し、ときに傷つけあいながらも、ふたりはやがてかけがえのない相手として必要としあっていく。
                    自分の気持ちに正直な巧馬は、恋に対しても真正面からぶつかっていく。真面目だけど四角四面ではない、頭のキレる男前として描かれているところが鳩村さんらしい。

                    それにしても、鳩村さんにもこんな王道センシティブを書いていた時代があったんですね。
                    掲載誌の特性もあってか、繊細で壊れやすい、迷える若者たちの青春譚。好き同士だからといって、すぐに身体の関係には結びつかない潔癖さや、欲望へのおそれ。とうに忘れてしまった十代のころの純情を、むずがゆく思い出した。

                    タイトルからもわかるとおり、当時の風俗が色濃く反映された内容なので、過去の遺産をなつかしむ気持ちになるのは避けがたい。時を経ても色あせない名作かといわれると、そこまでには達していないと思う。文章も作風も、いまよりずっと荒削りで手さぐり。
                    ただ、これが書きたい!とほとばしる情熱は、いまと変わらず、あるいはそれ以上に伝わってくる。
                    核にあるものは変わらないが、「佐野裕貴」が「鳩村衣杏」なるあいだに、明確に作家の書きたいものが変わっていると感じる。自分が書くべきものを掴んだからこそ、鳩村さんはもういちど別名義でデビューしたんじゃないだろうか。
                    こうして「佐野裕貴」が「鳩村衣杏」へ変わる道のりを垣間見ることができるのも、ずっと書き続けてきてくれたおかげだなあ。

                    「鳩村衣杏」の片鱗が感じられるのは、むしろお兄ちゃんたちのスピンオフ「東京恋愛コンサイス」のほう。
                    鳩村さんの理に長けた文章はやはり、描写にこだわるより、小気味よい会話や気の利いたやりとりで魅せるタイプだ。

                    触れなば落ちんという風情の美貌に反して、いつも飄々として弱気はみせない成悧。挫折知らずでどんなときも人の中心にいたはずが、はじめてままならぬ相手と出会って振り回される将吾。
                    好きだけど、負けたくない。好きだから、かっこう悪いところは見せられない。
                    本音を隠したつもりでも、はしばしに想いがあふれてしまっている言葉のいちいちににんまりしてしまう。
                    いつも絶対自分を曲げなかったふたりが、お互いの前でだけプライドを投げ出してみせる。恋のためにおろかになる。
                    まるで「勝負」みたいな、意地とプライドをかけた丁々発止の恋模様に、これだよこれ!と膝を打つ思い。

                    わがままな猫みたいな成悧だけど、素直になれないだけで、ほんとうは将吾に純情一途なところがかわいいんですよね〜。はじめてのときの成悧のかわいさったら…そりゃあ将吾もめろめろになるだろう!と。
                    成悧も将吾もデキる男だけど、自分なりの「美学」とも呼べる揺らがぬ信念を持っている。
                    ただ見目が美しいだけ、お金を持ってるだけじゃ「いい男」とはいえない。鳩村流の「いい男」は、デビュー時からすでに完成されてたんだな。
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