一日一冊

六青みつみ「代償」シリーズの既刊分を読了。
先日の日記で「奪還の代償」がない!と騒いだ後、テーブルのうえに積んだ本の山の下から「奪還〜」を発掘。お手本みたいな灯台下暗し!

一日一冊読み進んで、最新刊の「裏切りの代償」を今日読み終えた。
シリーズものを読みきってしまうと、ひととき滞在した世界から去るようなさみしさをおぼえる。
六青さんの本にかならずといっていいほど輪○や凌辱描写が出てくるのは、この界隈ではすでに有名かと思う。BLにおける私自身の基本姿勢は一棒一穴なので、六青さんのお家芸をやや苦手としていたのだが、「代償」シリーズを読んでいて気づいたことがある。
六青さんはきっと無理やり萌えなんだな。この無理やり萌えは、加虐の主が攻めか第三者かには関係なく、受けがかわいそうな目にあう、というその一点において発動するようだ。「忠誠〜」や「奪還〜」のように攻めが誠実な良識人だと受けに無体をはたらいたりしないので、かわりに第三者が介入してきて受けがひどい目に遭う確率が上がる。「誓約〜」や「裏切り〜」はすれ違いから攻めが受けを無理やりしてしまうので、第三者の介入が必要ない。受けと攻めの関係ががっつり濃く描かれているので、個人的には「誓約〜」と「裏切り〜」の2冊がとくに好きだ。
いずれにしても、「攻めに誤解されて無理やりされたうえ、敵にも拉致監禁されて凌辱」みたいな救いのない展開はない。どのお話もあまさと苦さのバランスが絶妙なロマンスに仕上がっており、二段組みの重厚さにもかかわらずぐいぐい引き込まれた。

聖獣攻めなんて沙野さんなら絶対獣○まで持っていく設定だよなあ。でも、六青さんはそっちより輪○のほうが萌えなんだな。ケモ耳萌えひとつとっても、アプローチは人それぞれでおもしろいな〜と、妙なところに感心しながら読んだ。
読んでない六青さんの本がまだ3,4冊あるので、つづけて読もうっと。

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追記(12/7)

同人誌の整理をしていたら、宇宮さんのデビュー5周年記念冊子に六青さんの対談が収録されていて、六青さんは「無理やり萌え」というより「後悔萌え」なのだと判明。
「無理やり」のあとで、攻めが「俺はなんであんなことを…!」って深く後悔するところが萌えなのか。
なんでこんなに無理やり好きなのか…と不思議だったんだけど、そのあとが重要なのね。納得。
あと、対等より身分差&格差萌えというのにも肯く。六青さんはまったく対等萌えないよな。笑
六青さんの萌えは、私の萌え(対等・受け至上主義・下剋上志向・地味萌え)とは対極なので、なるほど〜!そういうことなのか!と蒙が啓かれる思いだった。根っこはまったく別だけど、後悔萌えとか再会萌えとか、好きなシチュエーションがかぶってるからおもしろく読めるんだろうな。
英田さんとの対談も収録されていて、こちらは自分の萌えどころと近いのでにやつきながら読み終えた。


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繁忙期が極まってきている。
やってもやっても終わらない。早く出て行って、遅く帰る日々。

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12月に入って、さらに寒さにギアが入った感じ。
きのうの夜、コンビニに買い物に出たら凍えるほど空気が冷え込んでいてたまげた。真冬の寒さだ!

まだなんとか、暖房はつかってません。でもさすがに麦茶はあきらめて、あたたかいお茶に切り替えた。
ぼちぼちコートをおろすかな。トレンチは窮屈でちょっと苦手。会社にもダウン着ていきたい。
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    美術手帖 2014年12月

    久しぶりにボーイズラブ特集本を読んだら、ハートに火がついた。
    あの作家さんの二次ジャンルって…とか支部のあのつづき…とか数珠つなぎに気になって、ネット徘徊しまくり。
    気づいたら時間泥棒に1時間盗まれてた。ちょっと夢中になると、すかさず盗んでくんだもんな〜。こわいこわい。

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    このところあらゆる媒体でBLが特集されまくって、うれしい反面及び腰でもある。
    私にとってBLはやはり秘した趣味なので、衆目に大々的にさらされているのを見ると、どうにも臆してしまう。
    そのうえ、今回の特集本はなんと、ファインアートの雑誌だったはずの美術手帖社からの刊行。すくなくとも、私が学生時代立ち読みしていたころには、とてもBLなんて特集しそうな雰囲気ではありませんでした…。デザフェス特集はやってたけども。
    つねに同じランナップの作家が紹介されているのをみると複雑な思いにかられたりもするものの、まだまだ語りつくせない部分があるからこそ、こうして何度となく特集が組まれているんだろう。
    迷いながらも、明日美子さんが16P描き下ろしを目当てに買ってしまった。明日美子商法…!

    しかしこの本、読みだすともうとまらない。
    BLの現場からは離れた視点で編集されているため、ほどよく客観的で記事の内容も濃く、満足度の高い特集本でした。

    BL表現についての座談会(金田さん、福田さん、山本さんの安定安心のお三方。BLの特集記事ではお馴染みのみなさん)なんて、まるでオタク友だちとアツく語り合ってる気持ちで読みふけってしまった。
    近年の二次作品における「モブ」表現について誰かと語り合いたくてたまらなかったので、モブについての言及には「そうそうそう!!」とうなずくことしきり。モブという概念をつくったひとってすごいよね〜。
    ネット上で自然発生したことばなのだろうけど、「オリキャラ」だと恐れ多いのが「モブ」だといくらか免罪符になるところがありますよね。原作至上の二次だからこそうまれた表現様式なのだろう。商業BLでの3P大流行とも無縁ではなさそうな。
    アニメ化にあわせてジャンルがどんどん流転&多様化するようになり、CP固定よりよろず傾向が強くなったのも、土壌のひとつになってる気がする。オリジナルでも恋煩シビト「溺れる」とか彩景でりこ「チョコストロベリーバニラ」とか、三角関係ものの良作が次々うまれていて、一棒一穴に限らない多角形の関係性萌えが発見されつつあるのかもしれない。

    いつもひとり悶々とこねくりまわしていたことをきちんと言語化してもらえて、「こういうことだったのか!」と眼からうろこ落ちまくりだった。はああぁあ、脳が高速回転しっぱなしで妙に冴えわたってしまってる。
    前段のBLクロニクルはものすごく精査されて整理されてるのに、「BLまんがのこれから」の話題になった途端、会話がただの「萌えガタリ」になってるところもすごくあるある。笑
    現在進行形で萌えてるときって、正直作品としての出来とか考えられない。萌えって超絶主観だから、ハマりこんでるあいだは俯瞰して評価するとかできないんだと思う。

    巻頭の描き下ろしイラストもすばらしかった。お宝です。
    「オトコとシゴト」をテーマに、宝井さんは「テンカウント」のふたりの8年前設定(城谷さん三十路だったの…!)、ヨネダさんは「囀る鳥は〜」の超絶色っぽいイラスト描いてくれてます。
    ヨネダさんのイラスト、ほんと私の萌えそのものだよーーーー!!!!萌えに脳天を直撃される感覚。ヘレンケラーがウォーター!!ってなったときって、こういう気持ちだったんでしょうね。
    雲田さんは「野ばら」の10年後。うう、こういうテーマでイラスト描いてくれるのうれしい…この一枚だけで番外編一話分あります。

    雲田はるこや中村明日美子、よしながふみはこうしたインタビューではもはや常連組ですが、さすがおもしろいです。
    1問われただけで10かえすよしながさんの聡明さったら、惚れ惚れしてしまう。
    「きのう何食べた?」は当初、BL誌での連載を考えてたんですね。
    BLに関心のない私の友人たちもみんなおもしろく読んでくれる稀有な漫画なので、モーニングで連載してよかったのではと思っています。BL誌連載だったら届かなかったひとがたくさんいただろうし。

    明日美子さんは性表現について語る言葉すら、どこまでも端整でうつくしい。
    人となりが漫画に現れてるんだな、とつくづく思った。私がゲスいエロが好きなのもまた人柄…。おっしゃっていた「リズムへのこだわり」、わかるような気がしました。
    明日美子さんの漫画はとても音楽的に感じる。モノローグの置き方とか、絵の見せ方とか、流れるようにするする入ってきますもんね。本を読むというより、音楽を聴いたり、映像を観ているような感覚があります。はやく「薫りの継承」本になってほしい〜!!

    こだかさんは、インタビューを読むたびにそのプロ意識の高さに心打たれる。特別すごいこと語ってるとかじゃなく、「読者を楽しませることを楽しむ」ことができるのが、こだかさんのプロとしての才覚ですな。
    鳥人さんの「漫画は絵・演出・話で成り立ってる」という言葉に「そうそうそうそう〜〜〜〜!!!」ってはげしく肯く。皮肉まじりに自分を俯瞰して語る語り口が、漫画そのままでおもしろかった。根っこはアツいけど、表面はクールなんだよね。そこが大好きです。鳥人さん、またオリジナルも描いてくれ…私が二次読めばいいですね、そうですか。
    はらださんとかヨネダさんとか、絵は描いてたけどちゃんと同人誌出したのは就職してから、というひとが案外多くてびっくりした。プロになるひとって、基本十代からバリバリ描いてるんだと思ってたよ。才能だな〜!

    座談会の「最近の意欲あるマンガ編集者は、コミケが開催されてない時期はずーっとpixvを見ている」って発言が、真面目なだけにおかしくて吹き出した。
    後半の字面だけだと、ただの廃人だよ!ほかにも作品のキャプションとかキャラクター紹介の細かいところに、ちょいちょいおかしい表現があって、重箱の隅まで楽しめました。
    はー、ほんとにBLっていいもんですね。
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      幸福スプラッシュ

      読みたかった同人誌の続きがもうでてるうぅぅ!!!!???
      えっ…うぇ(二度見)…やっぱりでてるぅぅぅ!!!!

      10月に100Pの新刊がでて、11月に100P超えの続編が…!?
      人間業と思えない!!!あんたが神様や!!!!

      そっこうとらのあなでぽちってきた。このジャンルのひとはほんと果報者やな…月イチで100P超えの新刊って、週刊誌の速度超えてるやん。そのうえ支部にも漫画描いてくれるって…廃人になるのがこわくて、ガラケーユーザーやめられません。
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        「こどものままでよかったのに。」 山田まりお

        あかん、2ページに1回は吹き出してしまう…!まりおさんのギャグセンスが冴えわたる。

        「うちの子がご迷惑かけます。」の息子・秀樹が主人公のスピンオフ作。
        前作ではまんまクレヨンしんちゃんだった秀樹が立派な攻めになって…と感慨にひたっていたら、中身はおバカなままでさらに萌えた!!!
        初恋の人・和と十年ぶりに再会した秀樹。しかし、どれだけ成長したところで、和にとって秀樹は弟みたいな幼なじみでしかない。つれない和に、秀樹は猛アタックを開始する。

        秀樹の手段を選ばぬ猛アタックっぷりに、笑いを禁じ得ない。
        自分の試合の応援にきたはずの和が女の子と話してた!とだだをこね、勉強の息抜きにゲイDVDを持ち出し、「和の身体で童貞卒業したい」なんて死球まがいのど直球を投げ込んでくる。あきらめ悪いわ、ひとの話聞かないわで、迷惑極まりないバカわんこっぷりにもかかわらず、和が好きで好きでどうしようもない!っていう童貞力純情がだだ漏れでていてどうにも憎めない。

        いつも強引な秀樹だけど、それも「いい子」を演じてしまいがちな和を知っているからこそ。ほんとうは、何より和のことを大切に思っていて、和がつらいときはいつもそばにいてくれた。
        どんなに拒まれようとへこたれない秀樹の図太さ一途さに、和もだんだんほだされていく。

        念願の初えっちでは、はじめて使うコン○ームに秀樹の童貞妄想が爆発!
        期待を裏切らない変態っぷりに爆笑した。無責任に秀樹をたきつけているお父さん’sや、いつの間にか受けにジョブチェンジしてた和パパなど、脇役たちもいい仕事しています。

        理想の攻めは冴羽りょうと野原しんのすけな私にとって、まさしくドリームカムトゥルーなバカわんこ攻めだった。
        まりお先生、まじサンキューな!
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          「もっとずっときっと笑って」 久我有加

          「君が笑えば世界も笑う」続編。

          大学生になった起と、専門を卒業した寿。同居をはじめて、恋人としての関係はますます順調。
          しかし、起のツッコミにダメ出しを喰らい、オーディションで立て続けに落選。「オレンジグミ」は試練の時を迎える。

          このコンビ、天才は寿のほうなんだなあ。
          寿といっしょにいたい一心で漫才をはじめた起が、はじめて寿を競争相手として意識する。自分の才能に自覚のない寿は、はじめてできた起との距離に戸惑う。
          起はふつうの人生を選べば楽勝街道を突き進めたはずなのに、あえて壁にぶつかり、もがきつづける道を選んだ。カッコ悪い自分を受け入れて努力をするって、なかなかできることではない。前作ではとにかくひーちゃん命な起がかわいかったけど、挫折を知って男を上げたな。

          いっしょにいるためにコンビを組んだふたりが、コンビでいるために距離を置く。
          ずっと「恋人」の比重が大きかったふたりが、真面目に「相方」としてのお互いについて考えていて…あんたら成長したな〜と、田舎のおかんみたいな気持ちになった。
          なんだかんだいってもお互いにぞっこんなふたりなので、地固まってからはカンペキなバカップル。
          ひーちゃんに近寄る男はすべて敵!な起の余裕のなさと、そんなオコもかっこかわいい…なんて照れてる寿のお花畑っぷりに癒された。起は色ボケで、寿は天然ボケのボケボケコンビ。末永くラブラブしていてほしい。


          佐倉ハイジの絵が、しばらく見ないうちに進化してる…!
          目鼻立ちがすこしシャープになってて色っぽい。また漫画も読ませてほしいです。
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            薄い本いろいろ

            通販した同人誌が届いたので、日がな一日うすい本読んでた。至福…。

            宗凛たくさんと火黒の再録他と大菅。
            自分はほんと一貫して…黒髪攻めが好きなんだな!これだけは、BL読み始めたころから変わらない。
            基本男っぽい見た目の、単純で一本気でがさつな攻めが好きで、+執着系とか+世話焼きとか、オプション追加はご自由に、という感じ。インテリかワイルドなら、絶対ワイルド。王子様と騎士なら、断然騎士。言葉より腕っぷしで口説くタイプが、受けの尻にしかれるシチュエーションに萌える。
            優男系も嫌いじゃないけど、真性王子タイプじゃなくて+どヘタレとか+腹黒みたいな極端な味付けがないと萌えない。でも、「変態」さえ追加できれば、どんな攻めもだいたい萌えられるな〜。変態は万能調味料だな!

            受けはかわいいというよりきれいめの、芯が強い子がいい。自分の弱さと向き合って、自分と戦える人。
            受けに思い入れて萌えることが多いのもあって、自分のあこがれとか共感を反映させやすいタイプに惹かれることが多い気がする。凛ちゃんも黒子も菅さんも、ぜんぶ努力家タイプだもんな〜。仕事はデキるのに、恋は不器用って萌えだよね…!
            この「仕事がデキる」ってところが重要で、いざとなれば攻めより仕事(使命)を選ぶくらいの覚悟だとなおよい。逆に、攻めの仕事(使命)のためなら、自分は身をひこう…ってシチュエーションもまた鉄板。
            男同士の恋は、葛藤が多いほうがいい。

            宗凛どれもおもしろかったー!
            ピュアショタもアダルトパロも鮫柄でのわいわいがやがやも、ぜんぶいい。
            宗凛は公式が宗凛だから、モノローグ主導で本編を補完していく本も多かった。作家さんによって微妙に宗介の思考のプロセスが異なって、なるほどなー!こういうのもありだなー!って妄想ふくらんだ。
            自分で妄想するぶんには、宗→→→→→(越えられない壁)←凛くらいなので、宗→→←←凛みたいな、パワーバランスが拮抗した本を読むだけで興奮した。凛ちゃんが宗介を意識してる、というしあわせ…!
            自分ひとりじゃ妄想をハッピーエンドまで導けないので、誰かに「正解」を描いてほしいんだろうなあ。なれそめから卒業のあとまでつづくような、大長編宗凛が読みたい…。

            なんとなく買った火黒がどれもこれもおもしろくて、さらなる欲望に火がつきそうになる。
            やばい、まぶしいほどの青春っぷりがたまらない…!あふれる初恋感…!火神くんが直情バカなので、基本健全なお付き合いにしかならないところがいい。理想的な高校生CP。なにもかもういういしすぎてこっちが照れる〜。
            特殊設定の家族パロも読んだけど、そっちもすごいおもしろかった。このひとプロじゃないのか…ふつうにいい話すぎて泣いたよ…。ちいさい火神くん、かわいすぎる!
            黒バスはジャンルが成熟期を迎えてるおかげでいい作家さん集まってるな〜。でも、踏み込んだら最後、出て来れなくなりそうで怖くもある。

            大菅も高校生!!って感じですごく萌えた〜。大菅もっと読みたい。
            ハイキュー!!だと、大菅か及岩が好きです。
            しっかり者受けに、黒髪攻め&変態紳士攻め。我ながらゆるがない一貫性。
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              「イナズマクリティカル」上・下 楢山とおる

              新規開拓でいい本と出会えた!こういうBLを待ってたよー!
              楢山とおるの「イナズマクリティカル」、すっごくよかった。

              ぼっちでがり勉の渡と、クラスの人気者の三珠。
              接点のないまま過ごしていたふたりが、貧乏くじを引き当てて、男同士でペアダンスを踊ることになってしまう。
              最初は嫌々だったはずなのに、いつも空気だった渡の心のなかに触れ、三珠はどんどん渡が気になっていく。

              登場人物たちにしっかり血が通っている漫画だ。
              ひとつひとつの行動に説得力があって、ぐいぐい引き込まれる。
              本音をぶちまけたあとの手の震え、都合のよすぎる妄想、まっすぐな憧れ、かっこつけたあとのうしろめたさ、好きな子と同じものを持ってるだけで浮き立つ気持ち。糸をたぐるようにして、どうにかつながってたいと願ったこと。
              たった一言で天国へも地獄へも行ける。三珠と渡の恋は、そういう恋だ。相手の一挙一動が、自分を変えていってしまう。そのおそろしさとまぶしさが、二冊かけてとても丁寧に描かれている。
              学生時代のつながりって、大人とちがってほんとうに切実だよね。
              自分をさらけだして誰かと向き合えるのって、十代の特権だ。自分も高校生くらいのころは恥ずかしいことや、悶々とすることがたくさんあったなあ、ってことが思い出されて背中がもぞもぞした。

              要領よく立ち回る自分に苛立つ三珠に、それは他人を思いやれるやさしさだと伝えた渡。人知れず重ねてきた渡の努力に、ちゃんと気づいてくれていた三珠。
              そりゃあこんなん、好きになってしまうよなあ。
              それぞれの欠けた部分を補いあうなかでお互いが惹かれあっていくのが、視線や指先のうごきひとつからも感じ取れた。読んでる間ずっと、きゅんきゅんしっぱなし。

              恋と同じくらい、主人公たちの成長にも紙面が割かれているのが、定番のBLとは一線を画すところ。渡が胸に抱える空白をなんとかしてやりたくて、葛藤ながらも踏み込んでいく三珠の姿に胸が熱くなった。
              BLとしても萌えたし、物語としても感動しました。

              作者さんは四季賞受賞者とのことで、どうりでデビューコミックスでこれだけ描けるはずだわ…。
              (ちなみにイノウエさんやヤマシタさんも四季賞作家。それを思うと、新人賞をとったところで「プロ」になるのがどれだけ大変か、ということがひしひしとわかる)
              絵柄自体は表紙を見てのとおり地味なのだけど、はっと惹きつけられる表情や、筋肉の流れを感じさせる身体の動きとか、一枚絵ではわからない「巧さ」が漫画のなかにつまっている。
              身体のデッサンがしっかりしてるので、期待以上にエロがすばらしかった…!お風呂場でってのがまた切羽詰ってる感にあふれていて、若いっていいわ〜。はじめてなのにがっつきすぎて、あとで後悔する三珠にも萌えた。
              萌えとエロとストーリーと、三本そろって文句なし!です。

              WEBで小話をUPする予定もあるようなので、楽しみにしておこうっと。
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                「イベリコ豚と恋の奴隷。」 SHOOWA

                「イベリコ豚と恋の椿。」の続編を買ってきた!
                正座待機していた、源路×吉宗の続編。うひょー、萌えるぜ!

                このふたり、ビジュアルからして萌えツボど真ん中。
                吉宗さんの憂い顔!片目の隠れたマンガ髪!!源路の分厚い胸板!!!黒髪ワイルドな下僕攻め!!!
                すべてがワンダフル。そのうえ今回は、ふたりとも「濡れ髪」シーンがあります。
                作中で髪型が変わるって萌える…!源路も吉宗さんもきちんとセットしてる設定なので、オフの時間に髪を下してるのがひときわ無防備に思えてしまう。吉宗さんのみだれ髪はけしからん。

                身体の関係はできたけど、ただ「ヤルだけ」のふたりの関係。
                なかなか自分のなかへ踏み込ませない吉宗に、源路は悶々としている。
                トラウマゆえの吉宗のためらいを、小悪魔プレイだと思いこんでる源路がかわいくて、終始ニヤニヤしながら読んだ。見た目は強面なのに、中身はいたってふつうの16歳である。やりたいけど、やりたいだけと思われたくない。リビドーと愛の間で揺れ動く源路の煩悶が、おかしくもいとおしい。
                あとがきにもあったけど、ほんとに「がんばれ!」って応援したくなる攻め。笑
                ただ、吉宗さんもすごく無自覚に誘い受けなので、源路が翻弄されるのもごもっともである。
                過去のトラウマで不感症な吉宗は、源路との距離をうまくはかれない。好きにしろといわんばかりに身を投げだしたかと思えば、いきなりほかの女の子をあてがってきたりして…これじゃあ、源路は混乱するだろう。

                吉宗はきっと、自分のことなんかどうでもいいって思っている。
                だから何をされても構わないし、源路のいいようにってことしか考えてないし、心のなかはみせてくれない。
                自分のなかにもそういう「欲望」があるってことを、吉宗自身が拒絶しているように思える。
                源路がとてもまっとうな男の子なだけに(だって吉宗さんが2人目なんですよ!全然遊んでないよ!真面目だよ!萌える!)、吉宗は自分の過去の重石を源路に明かすことができるかなあ…。

                健やかに眠る源路の横顔を見つめる吉宗が、月を見上げるような顔をしていてせつなくなった。
                このまま、自分からは触れることすらできないなんてかなしすぎる。吉宗は知られたくないし、知らなくていいって思ってるのかもしれないけど、ずっとひとりで苦いものを呑み込んだままなんて割り切れない。
                吉宗さんにはほんとうの意味で幸せになってほしいし、それが源路の幸せだと思うんだぜ…(くさいこといってしまった…)。
                何より、感じまくってどろどろな吉宗さんを見られないなんて、もったいなさすぎます。(真顔)

                ふたりのラブはわりとシリアスでしたが、前巻と変わらず、描き文字での悪ふざけやネタも満載。個人的には「チキン野郎」の汚名を着せられたカー○ルおじさんと、卑猥すぎるボーリングピンに吹き出した。

                大好きなふたりなので、延長戦がすごくうれしい〜。
                今回は吉宗さんのトラウマまでたどり着かなかったので、ふたたび正座待機で期待しています。
                源路、がんばれ!!
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                  干からびるかと思った。

                  昨夜は結局、残り少なくなってきた同人誌に手をつけて、これだけ読んで寝ようと思ったのだが。
                  これがもう、泣けて泣けて、読んでいるあいだずっと泣いていた。タオルハンケチがじっとり湿ってしまった。

                  こんなに涙がでるのは、よほど彼らに肩入れしていたってことなんだろうなあ。
                  物語の力だけで、干からびるほど泣かされるた経験って、ちょっと思いつかない。何冊にもわたって本のなかの人物の人生に寄り添って、どうかうまくいってくれって願った思い入れゆえに、決壊してしまうことが多い。
                  木原音瀬のCOLDシリーズや、清水玲子の「月の子」でも死ぬほど泣いて、読み終わっても頭が回転するのをやめないものだからじっともしてられなくて、まれぼったいまぶたのまま、夜明けの町をを歩き回った。
                  昨夜も鏡を見たら下まぶたがぷっくりふくれていて、「うはぁ、泣きすぎるとほんとうに目が腫れるんだ」と思わず見入ってしまった。

                  以下、感想もろもろは、同人誌の話なので隠しときます。
                   
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                    「サヨナラノート」 友江ふみ

                    別マに載っていそうなBLだ…!
                    攻めも受けも、アイドルみたいにかわいい!男くさくない!描線がとても丁寧で、画面がキラキラしている。
                    よごれた身には、いささかまぶしいぜ…!

                    なんと、高3にもなって「交換ノート」を続けている男子の話です。

                    高3男子が…交換ノートだと…!?ゴクリ。

                    かくいう私も、高3の頃友人と交換日記をしていました。
                    当時、女の子の間で手紙交換が流行っていて、好きなバンドの話をするのに手紙じゃおっつかないからノートで、と発展したのだけど、さすがに男子で手紙やノートをやりとりしてる子はいなかった。そもそも男の子って、あまり字を書く習慣のない子が多いよね。

                    この漫画の謙と拓政にも、ノートをやりとりしはじめたのには理由がある。
                    中二の春に転校してきた謙は、両親を事故で亡くし、なかなか周囲と打ち解けようとしなかった。おせっかい焼きの拓政は「しゃべるのが苦手」な謙のために交換ノートを提案する。
                    ずっといっしょだったふたりにも、高3になりそれぞれの道を選ぶときがやってくる。「もう一人でも大丈夫」という謙の言葉におされ、ふたりは5年間続いたノートを終わらせる準備をはじめる。

                    謙のために、楽しい思い出を山ほどつくってやろうとはりきる拓政。
                    拓政への想いを隠すため、幼なじみの奈々恵と嘘の交際をはじめた謙。
                    相手のことをいちばんに想っているのに、想う気持ちが大きすぎてすれちがってしまうふたりがせつない。
                    ほんとうにふたりとも相手を笑顔にしたい、幸せになってほしいってことだけを一生懸命に考えていて、なんてピュアなんだろう…!おばちゃん感動したわ。BLでは、好き=ヤリたいって意味だと思ってた。(真顔)

                    手を放してもひとりで歩いてゆけるように、ふたりはちゃんと「サヨナラ」をやり遂げる。
                    電車で拓政が謙の最後のノートを読むシーンは、定番だからこそ泣けますね〜。

                    しかしこのノートが、ふたたびふたりを近づける。
                    言葉ではいえないことを書いてきたノートにも、書けなかったこと。なんでも知ってるつもりだったのに、気づかなかったこと。謙が笑顔の奥に悲しみを閉じ込めていたことを知った拓は、もういちど謙に会いに行く。

                    伝えられなかったすべてを埋めていくように、ノートを囲んで話すふたり。文字はこうして、気持ちを後に残せるところが貴い。赤面ものの内容も、時がたてばすべていい思い出。
                    相手の幸せを願うつもりで、嘘を重ねて別れてしまった拓と謙がちゃんと幸せになれてよかった。
                    少女漫画の心を取り戻したくなったときにはぜひ!
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